茨城県の通報報奨金制度に反対の声が相次ぐ
茨城県が計画している不法就労外国人を対象とした通報報奨金制度を巡り、在日韓国人で構成される在日本大韓民国民団(民団)県地方本部が制度の撤回を求める要望書を提出しました。これに加えて、県弁護士会も同制度に反対する声明を発表し、社会的な分断を招く恐れがあると指摘しています。
民団県本部が制度撤回を要求
民団県地方本部は2026年3月27日、茨城県に対して通報報奨金制度の撤回を求める要望書を提出しました。この制度は、不法就労の外国人を雇用する事業所の情報を住民から募集し、報奨金を支払うというものです。要望書では、制度が「外国にルーツを持つ人々全体に対する監視や疑念を社会に広げる恐れ」があると強調しています。
特に、歴史的に差別や偏見に直面してきた在日韓国人にとって、この制度がもたらす心理的影響は深刻であると訴えています。民団側は、制度が外国人コミュニティへの不信感を増幅させ、社会の調和を損なう可能性を危惧しています。
県弁護士会も反対声明を発表
茨城県弁護士会は、2026年3月11日付で通報報奨金制度の撤回を求める声明を発表しました。声明では、この制度が不法就労問題の本質的解決にならないと指摘しています。たとえ通報対象が事業所に限られていたとしても、「外国につながる人びとが就労している状況を一般市民に監視させ、意識化させることで、不当な偏見と差別と分断を生じさせることに変わりはない」と述べています。
弁護士会は、制度が以下のような問題を引き起こす可能性があると警告しています:
- 外国人労働者に対する不当な監視の促進
- 社会における差別意識の拡大
- 多文化共生の妨げとなるリスク
制度の背景と今後の展開
茨城県が導入を検討している通報報奨金制度は、不法就労の撲滅を目的としていますが、その手法を巡って議論が巻き起こっています。民団や県弁護士会は、制度が人権侵害や社会的な分断を招く恐れがあるとして、以下の点を懸念しています:
- 外国人コミュニティへの風当たりの強化
- 雇用現場における不信感の醸成
- 県内の多様性尊重の理念との矛盾
茨城県は現在、これらの反対意見を検討中であり、制度の見直しや修正の可能性も含めて、今後の対応が注目されています。この問題は、移民や労働政策に関する広範な議論を呼び起こしており、地域社会の在り方について深い考察を促しています。



