ウクライナの首都キーウ中心部に位置し、1986年のチョルノービリ(チェルノブイリ)原発事故の被害を後世に伝える国立博物館が、24日未明までのロシア軍による大規模攻撃で甚大な被害を受けた。同博物館は約1カ月前にリニューアルオープンしたばかりであり、再び休業を余儀なくされる事態となった。しかし、館長は惨禍の記憶を伝える使命を果たすため、「必ず再開させる」と強い意欲を示している。
博物館の被害状況
24日午後に博物館を訪れると、窓ガラスは粉々に割れ、壁面には黒く焦げた跡が生々しく残っていた。博物館は大規模な改装を経て、原発事故から40年となる4月26日に営業を再開したばかりだった。ビタリナ・マルティノフスカ館長(40)は「今後に向けたたくさんの計画があったが、展示品を移動せざるを得なくなった」と無念さをにじませた。
ゼレンスキー大統領の非難
24日に現地を視察したウクライナのゼレンスキー大統領は、今回の攻撃で展示品の40%が「取り返しのつかない損失を被った」と表明。さらに「ロシアは人命だけでなく、記憶そのものを破壊しようとしている」と厳しく非難した。
博物館の再開時期は未定だが、館長は「必ず再開する」と決意を新たにしており、国際社会からの支援も期待される。今回の攻撃は、文化遺産や歴史的記憶に対するロシアの攻撃性を如実に示すものとなった。



