英紙フィナンシャル・タイムズ電子版は15日、ウクライナに侵攻するロシア軍の巡航ミサイル「Kh101」に、京セラの米国子会社が製造した電子部品が使用されていたと報じた。ウクライナ大統領府の資料によると、同ミサイルには欧米で製造された100点以上の部品が搭載されており、ロシアが欧米の輸出規制を巧みに回避して入手した可能性が指摘されている。
ミサイル攻撃の実態
ロシア軍は13日から14日にかけて、ウクライナ各地に向けて計56発のミサイルを発射。このうち35発がKh101巡航ミサイルだった。14日未明には、首都キーウの高層住宅に1発が着弾し、子ども3人を含む24人が死亡する惨事となった。
残骸から判明した部品
ウクライナ政府は、ロシア軍による1月20日の攻撃後に発見したKh101の残骸を詳細に分析。その結果、京セラの米子会社「京セラAVX」が製造したタンタル電解コンデンサーが部品として使用されていることを確認した。さらに、米国やドイツ、中国、台湾の企業が製造した電子部品も多数含まれていたという。
輸出規制の課題
欧米や日本は、軍事転用が可能な電子製品についてロシアへの輸出を厳しく規制している。しかし、第三国を経由した転売や、偽装された取引ルートを通じて、規制品目がロシアに流入するケースが後を絶たない。専門家は「規制の実効性を高めるには、国際的な監視体制の強化と、企業によるサプライチェーンの徹底的な管理が不可欠だ」と指摘している。
今回の報道を受け、京セラはコメントを発表していないが、同社の部品が軍事目的で使用されたことに対し、今後の対応が注目される。



