トヨタ、中東情勢緊迫で3年連続減益予想 成長軌道へ対応強化
トヨタ、中東情勢緊迫で3年連続減益予想 成長軌道へ

トヨタ、中東情勢緊迫で3年連続減益予想 成長軌道へ対応強化

トヨタ自動車は2026年5月8日、2026年度(2027年3月期)の連結純利益が前年度比約22%減の3年連続減益となる見通しを発表した。昨年度は米国の高関税政策が営業利益を1兆3800億円押し下げたが、今年度は中東情勢の緊迫化が新たな打撃となる。売上高は国内企業として初の50兆円を突破したものの、地政学リスクへの対応が急務となっている。

近社長、決算会見で「はね返すまで成長投資継続」

4月に最高財務責任者(CFO)から社長に昇格した近健太社長は8日のオンライン決算会見で、「非常に大きな環境変化がある中で3兆8千億円近い営業利益を出すことができた。成長投資を続けられる、アクセルを踏むことができる状態にある」と昨年度を総括した。その上で、「中東情勢の影響をはね返すまでは、全方位戦略をさらに強化し、対応力を高めていく」と強調した。

昨年度はHV好調と金融事業がけん引

昨年度は米国での高関税政策が営業利益を大きく圧迫したが、市場の冷え込みが懸念された米国をはじめ各地で採算性の高いハイブリッド車(HV)が好調に推移。金融サービスや追加部品など新車販売以外の事業も伸び、全体として減益幅は限定的だった。売上高は50兆円を超え、国内企業として初の大台突破となった。

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中東情勢緊迫でサプライチェーンリスク顕在化

今年度は中東情勢の緊迫化が直接的な影響を及ぼす。トヨタは中東地域からの原油調達や部品供給網に依存しており、物流コストの上昇や生産遅延が懸念される。近社長は「毎日状況を確認し、代替ルートの確保など柔軟な対応を取っている」と述べた。地政学リスクの高まりを受け、トヨタは調達先の多様化や在庫戦略の見直しを加速する方針だ。

全方位戦略の継続と成長投資

トヨタはHVに加え、電気自動車(EV)や水素車など多様なパワートレインを展開する「全方位戦略」を継続。今年度も研究開発や設備投資に積極的に資金を投入し、次世代技術の開発を進める。近社長は「短期的な減益に一喜一憂せず、持続的な成長に向けた投資を続ける」と強調した。

市場の反応と今後の焦点

市場ではトヨタの減益予想が事前の観測とおおむね一致したため、株価は小幅な変動にとどまった。アナリストからは「中東情勢の先行き不透明感が強いが、トヨタの収益基盤の強さは変わらない」との声が聞かれる。今後の焦点は、地政学リスクへの対応スピードと、EV市場での競争力強化にある。

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