中国の王毅外相、台湾問題で日本の動きに強い懸念を表明
中国の王毅外相は8日、北京で開催中の全国人民代表大会(全人代)に合わせて記者会見を行い、台湾問題を巡る日本の姿勢について強い懸念を表明しました。王毅外相は、台湾有事が存立危機事態になり得るとした高市早苗首相の国会答弁に直接言及し、明確な立場を示しました。
「台湾問題は中国の内政」と強調
王毅外相は記者会見の中で、「台湾問題は中国の内政だ」と繰り返し強調しました。その上で、「日本が干渉する資格はあるのか」と問いかけ、日本の対応をけん制する発言を行いました。中国側は昨年11月の高市首相の答弁以来、一貫して防衛力を強化する高市政権を非難しており、今回の発言はその延長線上にあるものと見られます。
さらに、王毅外相は台湾問題を「中国の核心的利益の核心」と位置付け、「祖国統一の歴史的プロセスは妨げられない」と述べました。この発言は、中国が台湾を自国の領土の一部と見なす従来の立場を改めて確認するものとなっています。
日本の軍国主義に言及し警戒感を示す
王毅外相はかつての日本の軍国主義にも言及し、「中国やアジアの人々が日本の行く末に高度な警戒と憂慮を抱くのは当然だ」と主張しました。具体的には、過去の日本の軍国主義が「存亡の危機」を口実に侵略を仕掛けたと指摘し、植民地支配や侵略を正当化する動きに対して「中国と14億人の中国国民は決して許さない」と強い姿勢を示しました。
日中関係の今後については、「日本側の選択にかかっている」と述べ、日本政府の対応次第で両国関係が左右されるとの見解を明らかにしました。この発言は、台湾問題を巡る日本の姿勢が日中関係全体に影響を与える可能性があることを示唆しています。
イラン情勢と米中関係にも言及
記者会見では、イラン情勢についても言及がありました。王毅外相は「直ちに軍事行動を停止し、戦火の拡大を回避すべきだ」と述べ、地域の緊張緩和を呼びかけました。また、今月末に見込まれるトランプ米大統領の訪中を前に、間接的にけん制する発言も行いました。
今回の記者会見は、中国が台湾問題を最重要課題の一つとして位置付け、日本の動きに対して鋭い目を光らせていることを浮き彫りにしました。王毅外相の発言は、アジア地域の安全保障環境を巡る中国の強い懸念を反映しており、今後の日中関係に影を落とす可能性があります。



