AI投資と円安で上場企業の純利益が過去最高へ、家計との二極化鮮明
AI投資と円安で上場企業の純利益が過去最高へ

上場企業の2026年3月期決算は、最終的なもうけを示す純利益の総額が5年連続で過去最高になる見通しだ。AI(人工知能)関連への旺盛な投資が、半導体や電機メーカーを中心に追い風となっている。ただ、今年度(27年3月期)は、中東情勢の行方が不透明なことから、例年よりも業績の見通しを示さない企業が増えている。

好調な企業業績とその背景

東証株価指数(TOPIX)を構成する企業で3月期決算の1006社(金融を除く)のうち、12日までに決算を発表した482社(全体の47.9%)について、SMBC日興証券が集計して13日に公表した。

売上高の総額は前年比4.1%増の369.3兆円、本業のもうけを示す営業利益は2.7%増の33.1兆円だった。純利益は4.5%減の29.1兆円だったが、ソニーグループが金融子会社を上場させたことに伴う特殊要因で減益になったことが大きい。決算発表を控える企業は好業績が予想されており、最終的には過去最高益となる見通しだ。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

業種別の動向

業種別の営業利益でみると、AI向けのデータセンター需要などから電気機器は前年同期より14.8%増、建設需要の高まりでコスト増を価格転嫁できた建設業は41.6%増となった。一方、原油を原材料に使う化学や、物価高の影響を受けやすい食品関連の企業では、業績見通しの非開示が目立つという。

中東情勢の不透明感と企業の慎重姿勢

27年3月期の見通しを非開示とした企業は8.4%で、前年(5.5%)と比べて増えた。また、業績見通しを開示する企業でも保守的な見積もりが相次いだ。アナリストらの大方の見方は2桁台の利益の伸びを予想するのに対し、企業予想は1桁台にとどまるという。

SMBC日興証券の安田光氏は「中東情勢に関して保守的な見通しを置いている企業が多い」と指摘。「中東情勢が好転してくれば、逆に会社予想が上方修正されていく」と話した。

家計との二極化

企業業績が好調な一方で、物価高に苦しむ家計との二極化が鮮明になっている。賃上げが進むものの、物価上昇に追いつかず、実質賃金は低迷している。専門家は「企業の利益拡大が家計に十分還元されていない」と指摘する。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ