KPMG調査で浮き彫りになった経済安全保障への深刻な懸念
KPMGコンサルティングは2026年3月26日、国内の上場企業などを対象に実施した経済安全保障に関する調査結果を公表しました。この調査は、企業経営における地政学的リスクの認識を探ることを目的としており、特に注目すべき点として、回答企業の70.2%が「中国による貿易管理規制の強化」を経済安全保障上の主要な懸念事項として挙げたことが明らかになりました。
日中関係悪化が企業の危機感を高める
この結果は、近年の日中関係の悪化を背景に、レアアースなどの重要資源の調達が困難になる可能性に対する企業の危機感が高まっていることを反映しています。調査では、前年にトップだった「米国政権の政策変更」が64.4%で続き、「台湾情勢の緊迫化」も58.2%と高い割合を示しました。これらのデータから、企業が複数の地政学的要因に同時に直面している現状が窺えます。
サプライチェーン依存度の低下を検討する動き
さらに、サプライチェーンの依存度を下げることを検討している国・地域について尋ねた質問では、中国が33.7%と突出して高い回答率となりました。特に売上高5千億円以上の大企業に限ると、その割合は57.4%にまで上昇しています。これは、大規模な企業ほど中国への依存リスクを深刻に捉え、事業継続性を確保するための対策を模索している実態を示しています。
この調査結果は、企業が単なる経済的効率性だけでなく、安全保障の観点からもサプライチェーンの再構築を迫られていることを如実に物語っています。国際情勢の不確実性が増す中、企業経営におけるリスク管理の重要性が一段と高まっていると言えるでしょう。



