米政府が相互関税還付の即時開始を否定、手作業の膨大さを理由に
米政府は6日、米連邦最高裁判所から違法と判断されて無効となった「相互関税」などの還付を巡り、即時に還付手続きを始めるのは不可能だと強く主張しました。その理由として、膨大な手作業が発生することを挙げ、還付額を自動計算するシステムを45日以内に準備すると明らかにしました。
貿易裁判所の協議で明らかになった米政府の主張
同日、米国際貿易裁判所で行われた協議に提出した裁判資料で、米政府側は詳細な説明を行いました。電子的に還付を受け取ることができる業者が約2万社にとどまると訴え、猶予を求めました。この資料によると、今月4日時点で国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づき約33万の輸入業者が関税を支払い、輸入申告は5300万件超、徴収した関税は1660億ドル(約26兆円)に上るとされています。
貿易裁判所の対応と今後の展開
貿易裁判所は今月4日、米政府に対し、輸入業者から徴収した相互関税などの全額還付の手続きを速やかに始めるように命じていました。しかし、6日の協議で米政府側の主張を踏まえ、還付手続きに関して「速やかに」と求めた部分をいったん停止することを決定しました。この動きは、還付プロセスの複雑さを浮き彫りにしています。
米政府側は、最高裁が判断を示さなかった還付の方針を巡っては争う構えを見せており、訴訟は長期化する恐れがあります。 膨大なデータ処理と手作業の必要性が、迅速な還付実施の大きな障壁となっている状況です。輸入業者にとっては、還付が遅れることで資金繰りに影響が出る可能性も懸念されています。
この問題は、貿易政策の執行における実務的な課題を明確に示しており、今後の協議やシステム整備の進捗が注目されます。米政府が主張する45日以内のシステム準備が実現するかどうかも、重要な焦点となるでしょう。



