米国のトランプ前大統領が導入した鉄鋼・アルミニウムに対する追加関税を巡り、欧州連合(EU)欧州委員会は13日、対抗措置として米国産品に報復関税を課すことを決定した。即時発動する方針で、EUと米国の貿易摩擦が一段と激化する見通しだ。
報復関税の対象と規模
欧州委が発表した対抗措置では、米国産の鉄鋼・アルミニウム製品に加え、バーボンウイスキーやオートバイ、ブルージーンズなど幅広い品目が対象となる。関税率は25%から50%と高率で、対象額は約280億ユーロ(約4兆6千億円)に上る。欧州委は「米国の一方的な関税措置に対し、適切かつ均衡のとれた対応を取る」と説明している。
即時発動の背景
米国は先月、国家安全保障上の理由を挙げて鉄鋼に25%、アルミニウムに10%の追加関税を課すと発表。これに対しEUは世界貿易機関(WTO)への提訴と同時に報復関税の準備を進めてきた。欧州委の委員長は「交渉の余地は常に残されているが、我々は自国の産業と雇用を守るために行動する」と述べ、米国との対話を模索する姿勢も示した。
影響と今後の展開
今回の報復関税は、EU域内の鉄鋼・アルミニウム産業の保護を目的としているが、自動車や航空機など関連産業への影響も懸念される。また、米国がさらに追加関税を課す可能性もあり、貿易戦争の悪循環が危惧される。専門家は「両者の対立が長期化すれば、世界経済の成長を鈍化させるリスクがある」と警鐘を鳴らす。
一方、米国通商代表部(USTR)は「EUの措置は不当であり、米国の労働者や企業に損害を与える」と強く反発。米国はWTOに提訴する構えを見せており、国際的な貿易ルールを巡る紛争が本格化する可能性がある。



