パナマ運河を航行する船舶の通航量が増加し、深刻な混雑が発生している。中東情勢の不安定化が背景にあり、世界的なサプライチェーン(供給網)の見直しが加速しているためだ。この混雑が長期化すれば、日本の物流にも影響を及ぼす可能性がある。
通航量の増加とその背景
ロイター通信によると、パナマ運河庁は当初、今年の1日当たりの船舶通過数を平均34隻と見込んでいた。しかし、2月末の米国・イスラエルによるイラン攻撃を受けて状況は一変。3月には37隻に増加し、40隻を超える日も発生。運河はフル稼働の状態が続いている。
中東情勢がもたらした変化
特に増加しているのは、米国からアジアに向かう原油や液化天然ガス(LNG)を積んだ船舶だ。また、ドイツなど欧州企業がカナダの太平洋側からパナマ運河経由でLNGを調達しようとする動きも伝えられており、運河の重要性はさらに高まっている。
運河の仕組みと課題
パナマ運河は全長80キロメートルで、水門を利用して水位の高低差を調整しながら通過する仕組みだ。通過には8時間以上かかる。運河庁幹部は「40隻の通航を続けるのは難しい」と指摘しており、今後の対応が注目される。
日本の物流への影響
日本は中東からの原油輸入に依存しているが、パナマ運河の混雑が長期化すれば、北米や南米からの燃料調達にも支障が出る恐れがある。企業はサプライチェーンの多角化を迫られる可能性が高い。
今後の見通し
中東情勢の先行きが不透明な中、パナマ運河の混雑は当面続くと見られる。運河庁は通航調整や拡張計画を検討しているが、抜本的な解決には至っていない。国際物流の要所として、その動向から目が離せない。



