米貿易裁がトランプ関税の返還を命令、20兆円超の返還手続き開始へ
米貿易裁がトランプ関税返還命令、20兆円超の返還手続き (05.03.2026)

米貿易裁が違法関税の返還手続きを命令、20兆円超の返還へ

米国際貿易裁判所は2026年3月4日、トランプ政権時代に課された「相互関税」などについて、連邦最高裁が違法判決を出したことを受けて、違法に徴収された関税の返還手続きを米政府に命じる決定を下しました。この決定は、1300億ドル(約20兆円)を超えるとされる徴収済み関税の返還に向けた重要な指針となります。

税関当局に具体的な計算方法を指示

貿易裁判所はこの日、米税関当局に対し、最高裁が違法と認定した関税分を差し引いた上で、輸入企業の実際の納付額を計算するよう明確に指示しました。これにより、違法関税分が確定納付額から除外され、その分が企業に還付される仕組みが整えられることになります。

現在、関税の還付を求めて約2千社の企業が米政府を提訴していると伝えられています。今回の決定は、そのうちの1社の訴えに対応したものですが、貿易裁判所は「違法関税を納めた全ての輸入業者が最高裁判決の恩恵を受ける権利を有する」と強調しました。これは、提訴に至っていない企業を含む広範な業者にも還付権が及ぶ可能性を示唆する重要な見解です。

政権側の上訴で最終決着は先送りか

しかし、政権側はこの決定に対して上訴する方針とみられており、最終的な法的決着にはなお相当の時間がかかることが予想されます。貿易裁判所は3月6日にも関連審理を開く予定で、今後の展開が注目されます。

米国の輸入関税手続きでは、企業が輸入品を仕入れる際、まず概算額を税関に支払い、その後、税関が実際の納付額を確定する流れとなっています。今回の命令は、この確定段階において違法分を除外することを義務付けるもので、企業側にとっては資金の早期回収に向けた一歩となり得ます。

この問題は、トランプ政権の貿易政策を巡る長引く法的紛争の一部であり、国際経済や米国内の企業活動に継続的な影響を与えています。還付手続きの具体化は、関連する日本企業を含む多くの輸入業者にとって、財政面での救済策となる可能性を秘めていますが、政権の対応次第ではさらなる法廷闘争が続く見通しです。