トランプ相互関税1年、貿易赤字は197兆円に拡大 誤算続きの政策転換迫られる
トランプ相互関税1年、赤字197兆円に拡大 誤算続き

トランプ相互関税1年、貿易赤字は197兆円に拡大 誤算続きの政策転換迫られる

【ワシントン=坂本幸信】米国のトランプ大統領が、日本を含むほぼ全ての国・地域に対して「相互関税」の導入を発表してから、2日でちょうど1年が経過した。巨額の貿易赤字の解消を主な目的として掲げていたこの政策だが、2025年の米国の貿易赤字額は過去最大となる約1兆2400億ドル(約197兆円)にまで拡大してしまった。さらに今年に入ってからは、米国の裁判所がこの関税を違法とする判決を下し、徴収した関税の還付を求める動きも出ている。トランプ政権にとっては、予想外の事態が相次ぐ誤算続きの1年間となった。

国際緊急経済権限法を根拠に発動 日本は15%に引き下げ

相互関税は昨年4月、「国際緊急経済権限法」(IEEPA)を法的根拠として発動された。当初、日本に対しては25%の関税率が予定されていたが、日米間の関税協議の結果、日本側が巨額の対米投資を行うことなどを条件として、関税率は15%に引き下げられた経緯がある。

最高裁の違法判決後も新関税導入 外交交渉の武器として継続

今年2月には、米連邦最高裁判所が相互関税を違法とする判決を出した。これを受けてトランプ政権は、相互関税の代替措置として、「通商法122条」を根拠にした一律10%の新たな関税を導入した。政権側は、引き続き関税を外交交渉における有力な武器として活用し、他国との交渉を有利に進めていく構えを示している。

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還付準備が進み政権の重荷に 物価高対策にも影響

しかし、現状では徴収済みの約1660億ドル(約26兆円)に上る相互関税などの還付に向けた準備が進められている。また、関税収入を財源として見込んでいた物価高対策の実施も困難な状況に陥っており、相互関税は導入当初の意図から一転して、政権にとっての重荷となっている。政策の見直しや転換が迫られる局面を迎えている。

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