米IT業界団体、国防省のアンソロピック排除措置に強い懸念を表明
米国の主要なIT業界団体は、国防省が人工知能(AI)開発企業のアンソロピックを安全保障上の脅威とみなす「サプライチェーンリスク」に指定したことに対し、深刻な懸念を表明する書簡をヘグセス国防長官に送付しました。この動きは、ロイター通信が2026年3月5日に報じたもので、業界の反応が急速に高まっています。
業界団体の構成と懸念の背景
この業界団体には、アップルやエヌビディア、アマゾン・コムなど、米国を代表するテクノロジー企業が多数加盟しています。書簡の中で、団体側は通常は「外国の敵対勢力」に対して適用される緊急権限を、民間企業であるアンソロピックに用いるべきではないと強く主張しました。さらに、政府による同社の排除の動きが、米軍の先端技術へのアクセスを損なう恐れがあると警告を発しています。
トランプ政権の対応と国防省の動向
背景には、トランプ大統領がアンソロピックに対し、同社のAI「クロード」の軍事利用拡大を拒否したことを受けて、全連邦政府機関での同社製品の使用禁止を命令したことがあります。これに続き、ヘグセス国防長官は同社をサプライチェーンリスクに指定し、米軍と取引する請負業者などとの商業活動を一切禁止する方針を打ち出していました。
業界団体は、このような措置が技術革新を阻害し、米国の安全保障上の利益を逆に損なう可能性があると指摘しています。特に、AI分野での競争力維持が重要な現代において、民間企業との協力関係を断つことは、長期的な軍事的優位性を失うリスクを伴うと強調しました。
この問題は、政府の規制と民間企業の自由な活動のバランスをめぐる議論を再燃させており、今後の政策動向に注目が集まっています。業界団体の懸念表明は、国防省の決定に対する異議申し立てとして、政治的な波紋を広げる可能性があります。
