米移民局ICEの新人訓練プログラムが大幅削減か 元教官が公聴会で衝撃証言
【ワシントン共同】米国の移民・税関捜査局(ICE)において、新人職員に対する訓練プログラムが大幅に縮小された可能性が浮上している。元教官が23日に開催された野党民主党主催の公聴会で、具体的な削減内容を証言したことで、波紋が広がっている。
訓練時間が580時間から340時間へ 期間も72日から42日に短縮
証言を行った元教官は、昨年9月から南部ジョージア州で新人教育に従事し、先週辞職した人物だ。同氏によれば、規定の訓練プログラムは本来580時間に及ぶものだったが、そのうち実に240時間分が削除され、総訓練時間は340時間にまで減少。訓練期間も72日間から42日間に短縮されたという。
この大幅な削減は、トランプ政権が看板政策として掲げる不法移民対策の強化に伴い、ICE職員の増員を進める中で実施されたとみられる。早期の現場派遣を優先するあまり、十分な訓練を軽視している可能性が指摘されている。
国土安全保障省は「訓練時間は従来通り」と否定
これに対し、ICEを管轄する国土安全保障省は23日に声明を発表し、新人訓練時間は従来と変わっていないと強く否定した。省当局者は「職員の安全と効果的な任務遂行を確保するための訓練基準は維持されている」と強調している。
しかし、元教官の具体的な証言内容と省の見解には大きな隔たりがあり、実際の訓練実態を巡る議論がさらに深まる可能性が高い。ワシントン・ポスト紙が報じたこの問題は、移民政策をめぐる政治的な対立の新たな焦点となるかもしれない。
背景にある不法移民対策強化と人員増加の圧力
トランプ政権は国境警備の強化と不法移民の取り締まりを最重要課題の一つとして位置づけており、ICE職員の増員を積極的に推進してきた。その結果、現場での即戦力となる人材を早期に配置する必要性が高まり、訓練期間の短縮圧力が働いたとの見方もある。
専門家からは、移民対応や法執行に携わる職員にとって、適切な訓練は不可欠であり、これを軽視すれば職員の安全や人権保護に悪影響を及ぼす恐れがあるとの指摘も出ている。今後の動向が注目される。



