米国出生地主義訴訟でトランプ氏が最高裁傍聴、保守派判事からも政権に厳しい意見相次ぐ
出生地主義訴訟でトランプ氏が最高裁傍聴、保守派判事も政権に厳しい

米国出生地主義巡る訴訟で最高裁が審理、トランプ大統領が異例の傍聴

米連邦最高裁は4月1日、米国で生まれた子供に自動的に米国籍を与える「出生地主義」制度の見直しを図るトランプ大統領の大統領令の合憲性を審理する訴訟の口頭弁論を開いた。審理では保守派とされる判事からも制度見直しに懐疑的な意見が相次ぎ、政権側に不利な展開となった。

保守派判事からも政権主張に疑問の声

トランプ大統領は昨年1月、出生地主義について、少なくとも一方の親が米国籍か永住権を有していなければ適用しないとする大統領令に署名していた。政権側の担当者はこの日の審理で、現行制度が不法移民の流入を助長していると主張し、さらに中国人が制度を悪用して子供に米国籍を与える目的で米国に一時滞在している事例を挙げた。

しかし、保守派のジョン・ロバーツ最高裁長官は、制度の悪用が合憲性判断に影響しないとの見解を示し、政権の訴えについて「とっぴな主張だ」と厳しく指摘した。また、同じく保守派のエイミー・バレット判事は、制度の見直しが社会に混乱を招く可能性があると懸念を表明した。判決は6月末ごろに出るとみられている。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

トランプ大統領が異例の最高裁傍聴

トランプ大統領はこの日、自ら連邦最高裁に出向き、1時間以上にわたって審理を傍聴した。現職大統領が最高裁の口頭弁論を傍聴するのは初めてとみられる極めて異例の事態である。トランプ氏は途中で退席した後、自身のSNSに「出生地主義を認めるほど愚かな国は世界で米国だけだ」と投稿し、政権に不利な意見が相次いだことへの不満をあらわにした。

ただし、出生地主義は米国だけでなく、南米などを中心に約30か国が採用している制度であり、国際的には珍しい制度ではないとされている。

最高裁前では大規模な抗議集会

同日、ワシントンの連邦最高裁前では、人権団体の関係者ら数百人が集まり、出生地主義制度の見直しを図る政権に抗議する集会が行われた。参加者たちは「大統領にペンで憲法を書き換える権限はない」「子供を傷付けることほど重大な罪はない」と声を上げた。

両親がインドからの移民という大学生のアディヤント・パトナイクさん(20)は「出生地主義は憲法で明確に保障されている。最高裁で審理されること自体が恥ずかしい」と述べた。メリーランド州のカイラ・マクナイトさん(35)は「米国は多様性を認めることで成長してきた。全ての子供は平等に扱われるべきだ」と訴えた。集会中にはトランプ氏の支持者とみられる女性が拡声機で演説を遮り、口論になる場面も見られた。

この訴訟は、移民政策をめぐるトランプ政権の姿勢と憲法解釈が正面から争われる重要なケースとして注目を集めており、今後の判決が米国の国籍制度に与える影響は大きいとみられている。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ