米24州がトランプ政権の10%関税差し止めを提訴、民主地盤中心に法的対決へ
2026年3月6日、米国際貿易裁判所(ニューヨーク)において、野党民主党が地盤とする西部オレゴン州やカリフォルニア州など計24州が、トランプ政権による各国・地域への10%の代替関税は違法だとして、差し止めと関税の払い戻しを求めて提訴した。この動きは、連邦最高裁による判決後の政権の対応を巡り、新たな法的争いが激化していることを示している。
連邦最高裁判決後の政権の対応が焦点
連邦最高裁は2月20日、トランプ政権が国際緊急経済権限法(IEEPA)を根拠に講じた「相互関税」などの措置を違法とする判決を下した。これを受けて政権は、2月24日に通商法122条に基づく10%の関税を発動し、代替措置として実施した。しかし、この関税措置に対し、民主党地盤の州が反発を強め、法的な対抗手段に乗り出した。
提訴した24州は、主に民主党が支持基盤とする地域で構成されており、関税が州経済に与える悪影響を懸念している。具体的には、輸入品のコスト上昇による消費者負担の増加や、企業の競争力低下が指摘されている。州側は、通商法122条の適用が適切でなく、政権の権限逸脱であると主張している。
トランプ大統領の関税引き上げ表明も波紋
トランプ大統領は、通商法122条が上限とする15%に関税を引き上げる考えを表明しており、今回の提訴はその動きに対する先制攻撃の側面も持つ。政権側は、関税措置が国家安全保障や経済的利益に必要だと主張しているが、州側は法的手続きを無視した一方的な決定だと批判している。
この訴訟の行方は、米国の貿易政策の方向性に大きな影響を与える可能性がある。国際貿易裁判所の判断次第では、政権の関税政策が大幅に見直されることも考えられ、今後の展開が注目される。また、この問題は政治的な対立を深め、2026年の選挙戦にも影響を及ぼす可能性が指摘されている。
専門家は、州による提訴が増加している背景には、連邦政府の政策に対する地方の反発が強まっていることがあると分析する。今回のケースは、そのような傾向を象徴する事例として、米国内の分断を浮き彫りにしている。



