東京都議会で代表質問実施 5会派が包括的社会の実現へ政策提言
東京都議会は2月25日、代表質問を開催し、登壇した5会派から、誰もが取り残されない包括的な社会を目指すための具体的な施策に関する質問が相次いだ。小池百合子知事をはじめとする都幹部が答弁に立ち、新年度の政策方針を明らかにした。
特別支援学校の「18歳の壁」解消へ 放課後・卒業後の居場所確保が焦点
都民ファーストの会の尾崎大介議員は、特別支援学校に通う児童生徒の放課後や卒業後の居場所充実を強く求めた。卒業後に放課後等デイサービスを利用できず、家族の離職などにつながる「18歳の壁」が深刻な問題となっていることを指摘した。
小池知事は、新年度から夕方以降の居場所確保に取り組む区市町村への支援を開始すると表明。「障害のある方とその家族が、住み慣れた地域で安心して暮らせる東京を実現していく」と述べ、地域包括ケアの強化を約束した。坂本雅彦教育長は、放課後を校内で過ごす取り組みのモデル実施を推進する方針を示し、教育現場での継続的な支援体制構築に意欲を見せた。
民生・児童委員の活動費増額 地域課題の複雑化に対応
都は新年度、単身高齢者の増加などにより役割が拡大する民生・児童委員の活動費を、月額1万円から3万円に増額する計画だ。自民党の小松大祐議員が増額の意義を質したのに対し、高崎秀之福祉局長は「地域課題の複雑化、複合化や個人情報保護対策など、活動に伴う負担がより重くなっている」と説明。委員を雇用する企業への協力金支給も開始し、「担い手の確保につなげていく」と述べた。
パートナーシップ宣誓制度の運用拡大 多様な家族像を保障
結婚支援施策に関して、立憲ミライネット・無所属の会の竹井庸子議員は、「誰もが自分らしく生きることができる多様な家族、個人のあり方を保障することがダイバーシティの実現」と強調。都のパートナーシップ宣誓制度の運用拡大を要請した。
佐藤智秀総務局長は、同制度を導入する都内24自治体と協定を結び受理証明書を相互活用するほか、25自治体では公営住宅の申請などで都の証明書が利用できると紹介。「取り組みを着実に進める」と応じた。一方、共産党の米倉春奈議員は「特定の生き方だけを応援するメッセージになる」と批判し、議論に多様な視点が加わった。
デジタル格差是正へ スマホ申請困難な人への対応策を強化
公明党の東村邦浩議員は、「東京アプリ」で都民に1万1千円分のポイントを付与する事業に関し、障害や認知症などによりスマートフォンで申請できない人への対応策をただした。高野克己デジタルサービス局長は「自ら操作することが困難な方も含め参加できるよう取り組むことが重要」と述べ、新年度に代理申請の仕組みを導入する考えを示した。対象者や運用方法などを速やかに検討するとし、デジタルサービスの公平なアクセス確保に努める姿勢を明確にした。
今回の代表質問では、教育、福祉、多様性、デジタル化など多岐にわたるテーマが議論され、東京都が目指す包括的社会の実現に向けた具体的な道筋が浮き彫りとなった。各会派の提言と都の対応は、今後の政策展開に大きな影響を与えるものと期待されている。



