退職代行モームリ事件、代表や弁護士ら4人を追送検 紹介料隠匿の疑い
2026年3月4日、退職代行サービス「モームリ」をめぐる事件で、警視庁は運営会社の代表や弁護士ら男女4人を組織犯罪処罰法違反(犯罪収益の隠匿)の疑いで追送検し、発表しました。起訴を求める「厳重処分」の意見が付けられています。
追送検された4人の詳細
追送検されたのは、弁護士法人オーシャン(東京都港区)代表の弁護士(45歳)、弁護士法人みやび(同)代表の弁護士(49歳)、モームリの運営会社「アルバトロス」代表の男性(37歳)、妻で同社従業員の女性(31歳)の4人です。弁護士2人は容疑を認めたとされていますが、残る2人の認否は明らかにされていません。
警視庁は、この2つの弁護士法人とアルバトロス社も同容疑で書類送検しました。オーシャンとみやびは取材に回答せず、アルバトロス社は「今回の事態を厳粛に受け止めており、当局の要請に対し全面的かつ誠実に協力していく。現時点では詳細に関するコメントは差し控えさせていただく」とコメントしています。
隠匿の手口と背景
保安課によると、弁護士2人は2023年から2025年にかけて、退職希望者の紹介の見返りに支払う違法な報酬を、別の名目でアルバトロス社側に振り込み、正当な報酬であるかのように装ったとされています。アルバトロス社の2人は、従業員に正当な支払いを装った請求書を作らせるなどした疑いがあります。名目としては「広告業務委託費」や「労働組合への賛助金」が使用されていたとのことです。
4人は以前、違法に法律業務の紹介をしたり紹介を受けたりしたとする弁護士法違反の疑いで逮捕・書類送検され、2026年2月24日に起訴されていました。今回の追送検は、これらの行為が犯罪収益の隠匿に該当するとして行われたものです。
事件の規模と影響
アルバトロス社は2023年2月ごろからの約2年間で、2つの弁護士法人に退職希望者ら約220人を紹介し、紹介料として約370万円を得たとみられています。また、二つの弁護士法人は退職希望者らから計約1200万円の報酬を得たと推定されています。この事件は、退職代行サービスが急成長する中で、違法な紹介料の隠匿が行われていた実態を浮き彫りにしました。
退職代行サービスは若者を中心に広がっており、「モームリ」は「1日100人対応」と急成長を遂げたことで注目されていました。しかし、弁護士会が異例の注意喚起を行うなど、違法性が指摘されるケースも増えています。今回の事件は、こうした業界の闇の部分を司法が厳しく追及する姿勢を示すものとして、社会的な関心を集めています。
警視庁は、組織的な隠匿行為が行われていたと判断し、組織犯罪処罰法を適用しました。今後、裁判を通じて、詳細な事実関係や責任の所在が明らかになる見込みです。関係者らは、当局の捜査に協力する姿勢を示していますが、事件の全容解明にはさらなる時間がかかると予想されます。
