環境省は、釧路地方などで巣立ちの時期を迎えた国の絶滅危惧種シマフクロウのひなの足に個体識別の標識(足輪)を取り付ける生態調査を開始した。この調査は1985年から毎年実施されており、繁殖や移動・分散の実態、寿命などの情報を収集し、保護増殖事業に活用している。
シマフクロウの現状と保護の成果
シマフクロウは、森林伐採による営巣木の消失や河川改修による餌の減少、生息地への人間の立ち入りなどの影響で、20世紀後半には約30つがいまで減少した。しかし、その後は巣箱の設置や給餌、事故防止対策などの保護増殖の取り組みが功を奏し、2022年度には約100つがいが確認されるまでに回復している。
調査の内容と方法
調査では、捕獲したひなの体長や体重の計測、採血、外見異常の診断、健康状態の確認などが行われる。診断後には足輪を取り付け、捕獲地点に放す。1985年から2025年までの累計装着数は851羽に達している。
今年の調査日程と共存ルールの呼びかけ
今年の調査は5月18日に始まり、6月下旬まで実施される予定だ。環境省釧路自然環境事務所は、生息地を守るための「共存ルール」を策定しており、「シマフクロウは警戒心が非常に強いため、巣やひな、幼鳥には近づかず、目撃地点の情報をSNSなどで公開しないでほしい」と呼びかけている。



