食用バラで化粧品を開発 ROSE LABO 田中綾華社長が語る起業と未来
食用バラで化粧品開発 ROSE LABO 田中社長の挑戦

食用バラで化粧品を開発 ROSE LABO 田中綾華社長の挑戦

「食べられるバラを通して世界中の人々を美しく・健康に・幸せにする」という理念を掲げ、埼玉県深谷市の企業ROSE LABOは、食用バラの栽培から商品開発・販売までを一貫して行っています。特に、独自開発した新品種「24(トゥエンティーフォー)」をふんだんに使用した化粧品は、売り上げの柱として確固たる地位を築いています。

起業のきっかけと農園の設立

田中綾華社長(32)の起業のきっかけは、大学生時代に遡ります。ゼミでの自己紹介で「将来の夢」を問われた際、自信を持って答えられなかったことが転機となりました。その後、「自分の幸せとは何だろう?」と深く考えた結果、幼少期から親しんできたバラを通じて、人々の健康寿命を延ばしたいという思いが芽生えました。

大学2年生の途中で退学し、大阪の食用バラ農家に弟子入り。約2年間、栽培技術を学んだ後、2015年に自身の農園をスタートさせました。農園の場所として深谷市を選んだ理由は、以下の点からです。

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  • 顧客である洋菓子店が東京に集中しており、輸送コストを抑えられること。
  • 気候が温暖で、バラの栽培と収穫頻度に適していること。
  • 新規就農者に対する支援制度が充実していること。

苦難を乗り越えた商品開発の道のり

創業当初は、食用バラの販売がなかなか軌道に乗らず、苦しい時期が続きました。食用バラの賞味期限は約5日と短く、冷凍保存したものが倉庫に数十キロも積まれる状況に陥りました。

そこで、田中社長は農園近くの和菓子屋に協力を依頼し、バラのジャム作りを開始。自ら車を運転して地域のマルシェ(販売イベント)で手売りを続けるうちに、少しずつ認知が広がり、食用バラの売り上げ向上につながりました。

同時に、バラの新品種開発にも着手。従来のバラでは栄養成分の説明が理解されにくいことから、より多くの栄養を含む品種の創造を目指しました。約2年間で5000パターンもの交配を繰り返し、2018年に「24」が誕生。この品種は、花びらの色が内側に向かって白から濃いピンクに変化する美しい色合いが特徴で、ビタミンやリラックス効果のある香り成分が豊富に含まれています。

化粧品事業の展開と今後の展望

「24」の栽培開始後、マルシェの顧客からの要望に応え、化粧品の販売もスタート。ROSE LABOの強みは、自社栽培により高価なバラを惜しみなく原材料として使用できる点にあります。例えば、人気商品のシャンプーでは、原料の約7割を占める水をバラ抽出エキスに置き換え、香りや保湿性を高めています。

現在、伊勢丹新宿店など約400店舗で取り扱われ、オンラインストアでも約10種類の商品を販売。創業から10年を迎え、「バラを通して美しく」という理念は化粧品分野で着実に実現しつつあります。

今後は、医療分野への進出を視野に入れています。次の10年は「健康に」を主眼に、香り成分が脳に与える刺激を研究し、認知症への応用なども模索していく方針です。ROSE LABOは、バラの可能性を最大限引き出す場所として、さらなる成長を目指しています。

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