経産省、半導体向け化学品の安定供給を強化 経済安保法で特定重要物資指定も検討
経産省、半導体化学品の安定供給強化 経済安保法で指定検討

経産省が半導体向け化学品の安定供給体制を強化へ 経済安保法の活用も視野

経済産業省は、半導体の製造などに不可欠な化学品について、国内生産の強化と安定供給の確保に向けた支援策を本格的に検討している。2026年4月15日に開催された省内の有識者会議が中間報告を公表し、こうした化学品の重要性を改めて指摘したことを受けた動きだ。

有識者会議が「汎用化学品」の重要性を強調 中国依存のリスクを警告

同日に開かれた「地政学リスクを踏まえた製造基盤強化等に関する検討会」は、中間とりまとめとして「製造基盤強化レポート」を発表した。この中で、石油・天然ガス由来のエチレンやプロピレン、鉱物系資源由来のホウ酸や硫酸などを「汎用化学品」と位置づけた。

これらの化学品は幅広い産業で使用されているが、特に半導体など経済安全保障上重要な物資の製造には欠かせない基盤材料である。 報告書では、国内生産量が減少傾向にある一方で、中国のシェアが過去20年間で4倍以上に拡大している現状を指摘。地政学的な不安定性が高まる中で、将来の供給途絶リスクを真剣に考慮すべきだと強調している。

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経済安保推進法を活用 特定重要物資への指定も検討

経産省はこの報告書を踏まえ、具体的な支援策の検討を加速させる方針だ。特に注目されるのが、経済安全保障推進法に基づく「特定重要物資」への指定可能性である。同法は、サプライチェーンの強靭化を目的としており、指定された物資に対しては国が積極的な支援を行うことができる。

汎用化学品を特定重要物資に指定することで、生産設備への投資支援や供給網の多角化、在庫確保のための助成など、多角的な施策が講じられる見通しだ。 これにより、中国への過度な依存を軽減し、国内製造基盤の強化を図ることが期待されている。

背景にはグローバルなサプライチェーンリスクの高まり

今回の動きは、近年顕在化しているグローバルなサプライチェーンの脆弱性を背景としている。中東情勢の緊迫化に伴う化学品の価格高騰や、国際的な地政学リスクの増大が、安定供給の重要性を浮き彫りにしている。

経産省関係者は「経済の武器化が進む中で、リスクを許容しつつ国が支援することは不可欠だ」と述べ、官民連携による体制整備の必要性を訴えている。半導体を巡る米中競争の激化も、こうした化学品の戦略的価値を一段と高めている状況だ。

今後の展開としては、有識者会議での詳細な議論を経て、2026年度中にも具体的な支援策の骨格が固まる見込みである。日本の産業競争力と経済安全保障の両面から、化学品の安定供給確保は喫緊の課題となっている。

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