徳島大学生が淡路島の製造業課題に挑む 人材不足解消へ冊子作成と大学見学ツアー実施
徳島大生が淡路島製造業の魅力発信 人材不足解消へ取り組み

徳島大学生が淡路島の製造業課題に挑む 人材不足解消へ冊子作成と大学見学ツアー実施

徳島大学(徳島市)の学生たちが、深刻な人手不足に直面する淡路島内の製造業企業の課題解決に取り組む「実践型インターンシップ」を実施した。学生たちは企業の魅力を紹介する冊子を作成し、社員を大学に招いた研究設備見学ツアーを開催するなど、地域と大学が連携した新たな人材確保の取り組みを展開した。

深刻化する淡路島の労働人口不足

少子高齢化が急速に進む淡路島では、労働人口の減少が大きな社会問題となっている。兵庫労働局(神戸市)のデータによると、昨年9月時点での島内の有効求人倍率は1.78倍に達し、兵庫県内7地域の中で最も高い数値を記録している。この数字は同県平均の0.95倍を大きく上回り、但馬地域の1.40倍や丹波地域の1.18倍と比較しても際立って高い水準となっている。

徳島大学は、学生が実際の企業課題に取り組む実践型インターンシップ教育を積極的に推進しており、今回のプロジェクトもその一環として実施された。学生たちは、淡路島内への移住者と企業のマッチングや大学生のインターンシップ推進に取り組む「淡路ラボ」(淡路市)の支援を受けながら、「島の製造業をより身近にしていくこと」を主要テーマとして、昨年8月から約半年間にわたって議論を重ねてきた。

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企業の魅力を伝える冊子「淡路島はたらく人図鑑」を作成

3月16日に兵庫県淡路市で開催された活動報告会では、理工学部と総合科学部から参加した6名の学生が、半年間の取り組み成果を発表した。学生たちは島内に本社を置く製造業5社を実際に訪問し、各企業の技術的強みや経営理念、現場で働く社員の仕事へのやりがいなどを丁寧に取材した。

これらの取材内容をまとめ、A5判約20ページの冊子「淡路島はたらく人図鑑」を作成。単なる企業紹介にとどまらず、社員の入社理由や休日の過ごし方、仕事に対する想いなど、人間味あふれるエピソードも多数掲載し、製造業で働く人々のリアルな姿を伝える内容となっている。現在、この冊子はハローワークや市役所、徳島大学の学内などでの閲覧が検討されており、より多くの人々に淡路島の製造業の魅力を伝える媒体として活用される予定だ。

大学と企業の相互理解を深める見学ツアーを実施

さらに学生たちは、企業側の技術者や人事担当者を徳島大学に招へいし、2月から学内ツアーを開催した。参加した企業関係者は大学の研究室設備を見学し、学生との交流会にも参加することで、互いの理解を深める貴重な機会を得た。この取り組みは、企業が大学の研究環境を実際に目にすることで、より効果的な人材採用活動につなげることが期待されている。

冊子作成を担当した理工学部3年生(21)は「実際に製造現場を訪問し、企業の高い技術力と社員同士の良好な人間関係を目の当たりにしました。この冊子が製造業に興味を持つきっかけとなり、企業側にも就職活動中の学生への効果的なPRツールとして活用していただければ」と期待を込めて語った。

企業側からも高い評価 地域活性化への期待

プラスチック金型の設計製作を手がける「石田金型製作所」(兵庫県洲本市)の石田幸次朗社長(47)は「高校生からの新卒求人に応募がない厳しい状況の中、大学生との新たな接点ができたことは大きな喜びです」と歓迎の意を示した。

さらに石田社長は「自社を含む島内の企業に優秀な人材が就職してくれれば、地域全体の活性化にもつながります。今後も積極的に人材獲得に取り組んでいきたい」と述べ、大学と連携した人材確保の重要性を強調した。

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徳島大学の学生たちによるこの取り組みは、単なるインターンシップの枠を超え、地域が抱える深刻な社会課題に若い世代が主体的に関わるモデルケースとして注目を集めている。学生たちが報告会で述べた「地域の企業とともに淡路島の未来を考える機会になれば」という言葉通り、このプロジェクトが島の持続可能な発展につながることが期待されている。