三井化学がエチレン生産を減産 中東情勢緊迫で原料調達に不安
中東情勢の緊迫化に伴い、三井化学は3月10日、千葉県市原市と大阪府の生産拠点において、プラスチックなどの主要原料となる基礎化学品「エチレン」の生産量を減らしていることを明らかにしました。同社によれば、原料であるナフサ(粗製ガソリン)の調達が中東地域に大きく依存しており、その供給不安が直接的な要因となっています。
原料ナフサの4割超が中東産 供給リスクが顕在化
三井化学が使用するナフサのうち、実に40%以上が中東産に由来しています。この高い依存度が、現在の地政学的緊張によって深刻な供給リスクとして浮上しました。同社は今週から、千葉と大阪の各エチレン生産設備において、段階的に生産量を削減する措置を講じています。
エチレンは石油化学産業の中核をなす基礎化学品であり、ポリエチレンやポリプロピレンといった各種樹脂の製造に不可欠です。これらの樹脂はペットボトル、食品包装、おむつ、自動車部品など、日常生活から産業まで幅広い製品の原材料として利用されています。
代替調達先の模索と誘導品生産の見直し
三井化学は現在、中東以外の地域からの原料調達先を積極的に探求しています。同時に、エチレンを加工して得られる「ポリエチレン」や「ポリプロピレン」といった誘導品(二次製品)の生産計画についても、慎重な見直し作業を進めています。
この動きは、原油価格の高騰が家計を直撃し、品薄や値上げの懸念が広がる中での対応策でもあります。石油化学業界全体として、サプライチェーンの強靭化と原料調達の多様化が急務となっている状況です。
業界全体に広がる減産の波
三井化学の減産決定は、石油化学各社が相次いでエチレン生産を抑制する動きの一環です。中東情勢の先行き不透明さが、日本企業の生産活動に直接的な影響を及ぼし始めています。
今後の焦点は、以下の点に集まります:
- 中東地域以外での安定したナフサ調達ルートの確保
- エチレンおよびその誘導品の供給不足が市場に与える影響
- 原油価格高騰に伴うコスト増をどのように吸収するか
三井化学をはじめとする化学メーカーは、グローバルな原料調達戦略の再構築を迫られており、今後の対応が業界全体の方向性を左右することになりそうです。



