ティラドが下請法違反で公取委勧告 金型を無償保管させた不当行為
ティラドが下請法違反 金型を無償保管で公取委勧告

ラジエーター製造大手が下請法違反 公取委が厳重勧告

公正取引委員会は2月24日、ラジエーター製造を手掛ける「ティラド」(本社・東京)が下請け業者に対し、部品製造に使用する金型を無償で保管させていた行為について、下請法(正式名称・中小受託取引適正化法)違反に当たると認定した。同委員会はティラドに対して再発防止を求める厳重な勧告を正式に発出した。

不当な経済的利益の提供を要請

違反内容は「不当な経済上の利益の提供要請」に該当する。ティラドは2024年1月から2025年12月までの期間、ラジエーター部品の製造を委託していた43社の下請け業者に対して、新規発注の見込みが全くないにもかかわらず、製造用金型など合計4311個を無償で保管するよう継続的に要求していた。

公取委の調査によれば、これらの金型は全てティラド側が貸与した資産であり、大きいものでは重量約3.5トン、サイズは幅70センチ、奥行き120センチ、高さ73センチに及ぶ大型のものも含まれていた。保管に伴うスペース確保や管理コストは、全て下請け業者の負担となっていた。

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下請け業者からの廃棄申請も拒否

さらに問題を深刻化させたのは、一部の委託業者がティラドに対して発注見込みのない金型の廃棄を正式に申請したものの、同社がこれを一切受け入れなかった点である。この行為は、下請け業者に不当な負担を強いる典型的な事例として指摘されている。

ティラドは既に、過去の金型保管に係る費用として総額約8069万円を全額支払い済みであることを明らかにしている。しかし、金銭的補填が行われた後も、法的違反行為が認定された事実に変わりはない。

製造業に根強く残る悪しき商慣習

今回の措置は、中小企業庁が実態調査を実施し、その結果に基づいて公正取引委員会に「措置請求」を行ったことを受けて実現した。同様の違反行為は、製造業界において広く商慣習として根強く残っているとされ、業界全体の取引慣行の見直しが急務となっている。

下請法は、親事業者と下請け事業者間の取引の適正化を図り、下請け事業者の利益を保護することを目的として制定された法律である。大企業が優越的地位を利用して中小企業に不当な負担を強いる行為は、持続可能な産業生態系を損なう重大な問題として認識されている。

公正取引委員会は、ティラドに対する今回の勧告を契機に、同種の違反行為の撲滅に向けた監視体制を一層強化していく方針を示している。製造業を中心とした取引慣行の是正が、今後の重要な行政課題の一つとなる見通しだ。

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