国産半導体メーカー・ラピダス、32社から1676億円の出資を獲得
最先端半導体の国産化を目指す国策半導体メーカー「ラピダス」は2月27日、メーカーや金融機関など32社から合計1676億円の出資を受けることを正式に発表しました。これにより、企業の株主は既存の8社から大幅に増加し、日本の産業界を幅広く巻き込んだ体制が整いました。
政府が初めて1000億円出資、筆頭株主に
政府も同日、ラピダスに対して1000億円を出資し、筆頭株主となる方針を明らかにしました。政府による直接出資は今回が初めての事例となります。この動きは、半導体産業の国産化を国家戦略として強力に推進する姿勢を鮮明に示すものです。
ラピダスは2031年度までに、研究開発や量産に向けた投資に約7兆円の資金が必要と試算しています。そのうち1兆円を民間を中心とした出資で賄う計画で、2025年度中にまず1300億円を集める目標を掲げ、各企業に出資を呼びかけていました。
計画を上回る出資額、経産相「民間の期待高まる」
当初の計画を上回る出資が集まったことについて、赤沢亮正経済産業大臣は27日の記者会見で「民間の期待が高まっている証左だ」と述べ、産業界からの強い関心を評価しました。
ラピダスにはこれまで、ソフトバンクやソニーグループなど8社が合計73億円を出資していました。今回新たに株主に加わるのは、富士通、ホンダ、富士フイルムホールディングスなど多岐にわたる企業です。既存株主と合わせて32社がラピダスの経営を支えることになります。
出資企業には、半導体の製造装置や材料を手掛ける企業、金融機関に加え、ラピダスと取引関係にある企業も含まれており、サプライチェーン全体を巻き込んだ支援体制が構築されました。
出資企業間に温度差、一枚岩とは言い難い状況も
しかし、すべての出資企業が同じ熱意を持っているわけではありません。出資額が比較的少ない企業の幹部からは、「寄付に近いようなもの」という声も聞かれ、企業間で温度差があることがうかがえます。このような反応は、国産半導体プロジェクトに対する企業の本音の一端を映し出していると言えるでしょう。
日本の半導体産業の将来を担うラピダスへの出資は、単なる資金提供ではなく、技術力の強化やサプライチェーンの安定化など、長期的な戦略的意味合いを持っています。政府と民間が連携したこの取り組みが、日本の半導体産業の競争力回復にどのように寄与するか、今後の展開が注目されます。



