原料高騰の影響は限定的と強調 ユニクロ、将来の値上げ可能性を否定せず
ホルムズ海峡の事実上の封鎖を背景に、原油から製造される合成繊維の値上げが衣料品業界に広がる中、ファーストリテイリングの岡崎健取締役は2026年4月9日の中間決算会見で、「足元の原油価格上昇が今期の業績に直接及ぼす影響は極めて限定的」との見解を示しました。
早期調達と計画的な商品開発が影響緩和の鍵
同社によれば、ユニクロの商品は発売の約1年前から準備を開始し、繊維などの原材料も早期に調達を完了しているため、短期的な価格変動の影響を受けにくい体制が整っています。岡崎氏は「8月までの見通しにおいては、素材調達などの目途が立っている」と説明し、当面の供給安定性に自信を見せました。
しかし、柳井正会長兼社長は「お客様に購入していただくためには、我慢できる部分は我慢しなければならない」と述べつつも、「値上げを当社だけが回避することはできない」と発言。将来の価格改定の可能性を完全には否定しませんでした。
中東情勢緊迫化が合成繊維市場に与える影響
中東地域の緊張が高まる中、東レや帝人の子会社など主要な繊維メーカーは、衣類向け合成繊維の値上げを相次いで発表しています。合成繊維の主要原料であるナフサ(粗製ガソリン)は原油の精製過程で生成され、ホルムズ海峡を経由する原油供給の不安定化がナフサ価格の高騰を引き起こしている状況です。
このような外部環境の変化にもかかわらず、ファーストリテイリングは堅調な決算実績を維持。柳井会長は「世界でユニクロブームが来るかどうか」と将来への期待をにじませながらも、原材料コストの上昇が継続する場合の対応について慎重な姿勢を示しました。
業界全体では、原油価格の高騰がペットボトルや紙おむつなど幅広い消費財に波及する可能性が指摘されていますが、ユニクロは独自の調達戦略と商品計画により、当面の影響を最小限に抑える方針を明確にしました。



