読売・国際問題研世論調査 日米同盟信頼9割 防衛力強化に若年層が前向き
日米同盟信頼9割 防衛力強化に若年層が前向き (25.03.2026)

日米同盟への信頼が圧倒的 読売新聞と日本国際問題研究所の共同世論調査で明らかに

読売新聞社と日本国際問題研究所(JIIA)が共同で実施した全国世論調査(郵送方式)の結果が発表された。日本を取り巻く安全保障環境が厳しさを増す中で、日米同盟への信頼が高く、防衛力の強化に前向きな国民の意識が浮き彫りとなった。調査では、海外での紛争が重要物資や食料の安定的な確保に悪影響を及ぼす可能性も考慮され、まずは国内での調達を強化すべきだとの意見が多数を占めた。

中国・北朝鮮・ロシアを脅威と感じる割合が9割近くに達する

中国、北朝鮮、ロシアの三つの国について、日本の安全保障上の脅威だと感じるかを尋ねた質問では、中国に脅威を「感じる」との回答が「大いに」67%、「多少は」26%を合わせて93%に達した。2024年の調査では合計91%であり、大きな変化は見られないものの、「大いに感じる」の割合が9ポイント上昇している。昨年11月の高市首相の台湾有事を巡る国会答弁以降、中国政府が発言撤回を求めて対日圧力を強めていることが影響している可能性が指摘される。

北朝鮮とロシアに対して脅威を「感じる」人はともに87%と高かったが、2年前から大きな変化は見られなかった。このような脅威を感じる国に囲まれている状況で、米国への信頼は高いことが明らかになった。

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日米同盟への信頼が79% 若年層で特に高い支持

日米同盟が日本への攻撃の抑止力になっていると「思う」との回答は79%で、「思わない」の19%を大きく上回った。「思う」との回答は若いほど高く、60歳以上は73%だったのに対し、18~39歳の若年層では84%に上った。今後の国際社会において最も強い影響力を持つ国・地域を尋ねた質問では、「アメリカ」の71%が「中国」の16%を引き離し、以下「インド」4%、「日本」2%などとなった。米国の影響力が低下している一方で中国が存在感を高めているとの指摘があるものの、国民の見方ではまだ差が大きいことが示された。

調査では、中国がアジア周辺で海洋進出を進めていることを踏まえ、日本が東南アジア地域の平和と安定のために東南アジア諸国と防衛協力を進めることへの賛否も尋ねた。「賛成」は85%で、「反対」の11%を大きく上回った。

防衛力強化に若年層が積極的 不安背景に支持広がる

防衛力強化に関する質問では、若年層でより肯定的な傾向が顕著に表れた。防衛力強化に「賛成」との回答は、回答者全体では74%だった。年代別で比較すると、18~39歳の若年層では86%と高く、40~59歳の中年層は77%、60歳以上の高齢層では66%となり、若年層とは20ポイントの差がついた。

その背景には、若年層が抱く不安の影響があると見られる。将来日本に起きる可能性があることで不安に感じることを尋ねた質問(複数回答)で、「外国との武力衝突が起きる」を挙げたのは、高齢層で21%だったのに対し、若年層では29%と高く、「治安が悪化する」や「国際的なテロ組織による犯罪が起きる」を選んだ割合も高齢層より高めだった。

防衛費を増額することについても、若年層の「賛成」は64%で、高齢層の54%より10ポイント高かった。一方、防衛費を増額するための財源については、若年層は「防衛費以外の予算の削減」44%(全体は40%)、「国債の発行」24%(同18%)がやや高く、「増税」を選んだのは5%(同7%)にとどまった。「防衛費の増額は必要ない」は22%(同30%)だった。

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このほか、政府が大学などの研究機関や民間企業の先端技術を防衛目的で活用することに「賛成」との回答(全体では70%)は、若年層79%、中年層75%、高齢層62%で、若いほど前向きな姿勢が示された。

防衛装備品輸出には賛成4割弱 非核三原則維持が多数

調査では、海外の主要国が積極的に武器を輸出している状況を踏まえ、日本国内の防衛産業の生産能力を高めて防衛装備品の輸出を推進することへの賛否を尋ねた。「賛成」との回答は37%で、「反対」は60%だった。男女別にみると、男性は「賛成」の46%と「反対」の51%が拮抗している一方で、女性は「反対」の68%が「賛成」の28%を大きく上回った。

自民党と日本維新の会は今月6日、防衛装備品の輸出拡大に向けて防衛装備移転三原則の運用指針緩和を求める提言を高市首相に提出した。輸出品目を救難や輸送などに限る「5類型」を撤廃し、殺傷能力の有無を問わず装備品の輸出を原則可能にする内容だ。政府は提言を踏まえて今春にも指針を改定する方針だが、自民支持層に限っても輸出推進に「賛成」は45%、「反対」は51%、維新支持層では「賛成」40%、「反対」57%と、両党支持層とも賛否の割合は接近するものの、反対が半数を上回った。

日本政府が核兵器について「持たず、作らず、持ち込ませず」という非核三原則の政策をとっていることについて、今後も守るべきだと思うか、国際情勢に応じて改めてもよいと思うかを尋ねたところ、いずれも「守るべきだ」との回答が多数を占めた。「核兵器を保有しない」という原則を「守るべきだ」は、「どちらかといえば」を含めて79%で、「改めてもよい」19%を大きく上回った。「製造しない」との原則については、「守るべきだ」は81%に上り、「改めてもよい」は17%にとどまる。「持ち込ませない」との原則は「守るべきだ」が84%で、「改めてもよい」15%だった。「改めてもよい」との回答は女性より男性で高めの傾向があった。