欧州連合(EU)欧州委員会の通商担当閣僚に当たるシェフチョビッチ欧州委員は5日、米通商代表部(USTR)のグリア代表とパリで会談し、トランプ米大統領が主張するEUへの自動車関税強化を巡って議論した。EU側は米側に対し、昨年7月にまとめた貿易合意を順守するよう強く求めた。
トランプ大統領の警告とEUの対応
トランプ氏は今月1日、EUから輸入する自動車とトラックへの関税を現行の15%から25%に引き上げると警告した。この背景には、EU側の立法手続きの遅れに対する不満があるとみられている。EUは米国製の工業製品への関税撤廃などを含む立法手続きを進めているが、その進捗が遅いことがトランプ氏の不満を招いたようだ。
会談での議論
EUのシェフチョビッチ氏はグリア氏との会談で、米国製工業製品への関税撤廃を盛り込んだ立法手続きが完了する見通しを詳細に説明した。また、合意から1年となる今年7月までに主要項目を実現する環境を整えることが望ましいとの見方を示し、米側の理解を求めた。
一方、米側は貿易合意に基づき、EU製の輸入車に対し、これまで追加関税で27.5%に引き上げていた関税を15%に引き下げていた。トランプ氏の主張通りに関税を再び引き上げれば、合意違反となる可能性が高い。
今後の見通し
EUと米国の貿易関係は、この自動車関税問題を巡り緊張が高まっている。EUは合意の順守を求める一方、米国はEU側の対応に不満を強めており、今後の交渉が注目される。両者の溝が埋まらなければ、貿易摩擦が再燃する恐れもある。



