日用品大手のエステーが2026年5月11日に発表した2026年3月期の連結決算によると、売上高は484億円に達し、過去最高を更新した。この記録的な業績を牽引した製品の一つが、トウガラシ成分などを使用してコメを害虫から守る「米唐番(こめとうばん)」である。
「令和の米騒動」が追い風に
「令和の米騒動」を契機に、消費者がコメを買いだめする傾向が強まり、保管期間が長期化したことで、米唐番の需要が急増した。同製品の売上高は3年連続で前年比10%以上の成長を達成し、2026年3月期には20億円を突破。上月洋社長は「初めて購入する顧客が増え、裾野が広がった」と手応えを語る。
市場シェア9割超も、さらなる成長目指す
現在、コメ用虫除けというニッチ市場で9割以上のシェアを誇るが、上月社長は「消費者の使用率はまだ高いとは言えない」と指摘。一度使い始めた顧客が継続的に利用することを期待し、販売拡大を計画している。具体的には、SNSのTikTokやInstagramで動画配信やインフルエンサーとのコラボレーションを展開し、一人暮らしの学生など若年層への認知度向上に注力する。
コメ価格下落も、販売戦略は不変
足元ではコメの販売価格がやや下落し、小売店頭からコメが消える状況は落ち着きつつある。しかし、エステーは引き続き販売金額の増加を目指す方針だ。同社は、米唐番の利便性や効果を広く伝えることで、新規顧客の獲得とリピート率の向上を図る。



