厚生労働省が8日に発表した3月分の毎月勤労統計調査(速報)によると、物価変動を考慮した働き手1人あたりの実質賃金は前年同月比1.0%増加し、3カ月連続でプラスとなった。これは約4年7カ月ぶりの好調な伸びであり、物価上昇の鈍化が主な要因とみられる。
名目賃金も堅調に増加
現金給与総額(名目賃金)は2.7%増の31万7254円で、4年3カ月連続のプラスを維持した。基本給などの所定内給与は3.2%増の27万1313円、残業代などを含む「きまって支給する給与」は3.0%増の29万1517円となった。特に、所定内給与は3カ月連続、きまって支給する給与は2カ月連続で3%以上の伸びを記録し、いずれも約33年ぶりの高水準となっている。
実質賃金プラス継続の背景
実質賃金のプラスが3カ月続いた背景には、エネルギー価格の落ち着きや政府の補助政策などによる物価上昇率の鈍化がある。消費者物価指数の伸びが前年同月比で2%台前半に留まったことが、名目賃金の増加分を実質的な賃金上昇に結びつけた。
一方で、物価高の影響が完全に払拭されたわけではなく、今後の賃金動向には引き続き注意が必要だ。特に中小企業では賃上げの原資確保が課題となっており、持続的な実質賃金の上昇には、生産性向上や価格転嫁の促進が求められる。
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