トランプ大統領、メディア買収戦の最中に当事企業の社債を購入
ロイター通信は9日、ドナルド・トランプ米大統領が、米メディア大手ワーナー・ブラザース・ディスカバリー(WBD)を巡る買収争奪戦の最中に、名乗りを上げていた動画配信大手ネットフリックスとWBD自体の社債を購入していたと報じた。この取引は昨年12月から今年1月にかけて行われ、総額は約160万ドルから325万ドル(約2億6千万円から5億2千万円)相当に上るとみられる。
具体的な購入内容と時期
報道によれば、トランプ氏は昨年12月から今年1月にかけて、計4回の取引で約110万ドルから225万ドル(約1億7千万円から3億6千万円)相当のネットフリックスの社債を取得した。さらに、WBDの社債については昨年12月に2回の取引で約50万ドルから100万ドル相当を購入している。具体的な購入額は明らかにされていないが、これらの取引がWBDの買収を巡る駆け引きが活発化していた時期と重なっている点が注目される。
ホワイトハウスの反応と利益相反の懸念
ホワイトハウスの報道官はこれに対し、トランプ氏の資産は親族が管理する信託の下にあり、「利益相反の問題は生じない」と回答したと伝えられている。しかし、大統領が買収対象企業とその競合企業の双方の社債を取引していた事実は、政権の政策決定に影響を与える可能性があるとして、専門家の間で議論を呼んでいる。
現時点では、トランプ氏がこれらの社債を既に売却したかどうかは不明であり、取引によって実際に利益を得たかどうかも確認されていない。ロイター通信は、大統領の財務活動が公的な立場と私的な投資の境界線を曖昧にする可能性を指摘している。
買収争奪戦の背景と影響
WBDを巡る買収争奪戦は、メディア業界再編の一環として注目を集めており、ネットフリックスをはじめとする複数の企業が関心を示していた。トランプ氏の社債購入がこうした動きと同時期に行われたことは、市場操作や内部情報に基づく取引の疑念を生じさせる要素となっている。
この報道は、大統領の経済活動に対する透明性と説明責任を求める声を高める可能性がある。今後、議会や監視団体による調査が行われるかどうかが焦点となるだろう。



