ツムラが養命酒製造の主力事業を68億円で買収、旧村上ファンド系の関与で実現へ
漢方大手のツムラは2月25日、薬用酒メーカー・養命酒製造から主力製品「薬用養命酒」の事業などを買収すると正式に発表しました。買収金額は68億円と見込まれており、原材料の調達コスト低減や、ツムラの販売網を通じた販売拡大を進める計画です。
段階的な手続きと旧村上ファンド系の関与
この買収は複雑な手続きを経て行われます。まず、旧村上ファンド系の投資会社・レノと、養命酒製造の筆頭株主である投資会社・湯沢が、株式公開買い付け(TOB)などを通じて養命酒製造の全株式を取得し、非公開化します。その後、薬用養命酒などの事業を会社分割などで切り出し、ツムラに売却する流れです。
養命酒製造は、飲食・物販関連事業なども第三者への売却を検討しており、不動産や有価証券を残す形となる見通しです。この買取には、旧村上ファンド関係者の資金提供が関与しているとされ、昨年3月には大正製薬ホールディングスが保有する全株式を湯沢に売却した経緯があります。
販売低迷と歴史ある商品の課題
薬用養命酒は約400年の歴史を持つロングセラー商品ですが、物価高などの影響で販売が低迷しています。2025年4月から12月期の関連事業の売上高は、前年同期比9.1%減の61億9000万円と減少しており、事業再編の必要性が高まっていました。
養命酒製造は昨年12月に米投資ファンドKKRに事業売却の優先交渉権を与えましたが、湯沢が同意しなかったため、今回のツムラとの取引に至りました。この買収により、ツムラは漢方分野での事業拡大を図り、養命酒製造は経営の安定化を目指すことになります。



