香川県が補聴器購入補助制度を2026年度に新設 認知症予防対策として本格始動
香川県は、加齢に伴う難聴で補聴器を購入する場合の補助制度を、2026年度に新設する方針を固めました。この制度は、加齢性難聴が認知症を引き起こす可能性があるとの研究結果を踏まえ、補聴器の使用を通じて認知症予防につなげることを目的としています。県の一般会計当初予算案には、約3200万円の予算が計上され、初年度は800人から900人程度の利用を見込んでいます。
加齢性難聴と認知症の関連性 専門家のサポートが不可欠に
県の関係者によると、加齢性難聴は人とのコミュニケーションが取りづらくなることで、社会的孤立を招き、認知症の危険因子として指摘する研究が複数存在します。しかし、痛みを伴わず徐々に進行する特性から、自覚症状が乏しく、病院の受診に至らないケースが少なくありません。さらに、補聴器が高額であることから、経済的理由で使用をためらう高齢者も多いのが現状です。
また、補聴器を使用し始めても、聞き取りにくい音の種類は個人差が大きく、装着直後に違和感を感じる利用者が多いため、専門的な調整と継続的なサポートが不可欠となります。このような背景から、県は単なる購入補助だけでなく、包括的な支援体制の構築を目指しています。
具体的な支援内容 言語聴覚士の派遣から購入費補助まで
新制度では、まず市町が主催する介護予防教室に、県が言語聴覚士を派遣します。参加者には簡易的な聴力検査を受けてもらい、加齢性難聴の疑いがある場合は、耳鼻咽喉科の受診を勧めます。医師の診断を経て補聴器の購入が必要と判断された場合、購入費用の2分の1を補助し、その上限額は3万円に設定されます。
さらに、補聴器の利用開始後には、県がアンケートなどを実施し、使用状況や効果を把握する計画です。これにより、制度の改善やより効果的な支援方法の検討に役立てる方針です。県の担当者は「高齢者の生活の質の向上や、認知症・介護予防を後押しできればと考えています。補聴器の適切な使用が、コミュニケーションの円滑化や社会参加の促進につながることを期待しています」と語っています。
この取り組みは、高齢化が進む地域社会において、健康寿命の延伸と医療・介護費用の抑制にも貢献することが期待されています。県は今後、制度の周知活動を強化し、より多くの高齢者に利用してもらえる環境整備を進める予定です。



