ホンダは、カナダ東部オンタリオ州で計画していた電気自動車(EV)工場と電池工場の建設を無期限で凍結する方向で最終調整に入った。輸出先である米国のEV政策の変更などにより、EV市場が想定以上に冷え込んでいることを受けての判断とみられる。
計画の概要と背景
ホンダは2024年4月、カナダ・オンタリオ州アリストンにEV工場と電池工場を建設すると発表していた。当初は2028年の稼働を目指していたが、2025年5月にはEV工場の稼働時期を約2年遅らせることを発表していた。今回の決定は、さらなる需要低迷を受けたものだ。
EV工場の年間生産能力は最大24万台を見込み、総投資額は同社として過去最大級の150億カナダドル(約1.7兆円)に上る計画だった。また、カナダ連邦政府やオンタリオ州からの資金支援も受け入れる予定だった。
米国市場の影響
ホンダのEV戦略は、北米市場、特に米国への輸出を前提としていた。しかし、米国ではバイデン前政権が推進したEV普及政策がトランプ政権の誕生で転換され、補助金削減や規制緩和が進んだ。これによりEV需要が減退し、ホンダは計画の見直しを余儀なくされた。
ホンダは米オハイオ州でもEV関連の生産体制を整えているが、カナダ工場の凍結により、北米全体のEV生産計画に影響が出る可能性がある。
今後の見通し
ホンダは、EV市場の動向を注視しながら、無期限凍結の解除時期を判断するとみられる。同社は電動化戦略自体は維持する方針だが、具体的な投資計画は不透明な状況が続く。
このニュースは、自動車業界におけるEVシフトの減速を象徴するものとして注目される。



