京都の地域金融機関が対面相談を強化 金利上昇で資産運用機運高まる
京都府内の地域金融機関が、住宅ローンや投資信託など顧客の悩みに応えるコンサルティング拠点を新設するなど、「対面」の相談機能を強化している。背景には、マイナス金利政策の解除で「金利のある世界」が復活し、個人資産の運用や形成の機運が高まっていることがある。
京都銀行がコンサル拠点を新設 ワンストップサービスを提供
京都フィナンシャルグループ(FG)は昨年11月、傘下の京都銀行の桂支店・西桂支店(京都市西京区)を阪急桂駅東口から同西口に新築移転した。支店は近隣店舗を1か所に集約する「店舗内店舗」の一つで、西口にあった西桂支店を2023年に東口の桂支店に統合し、今回は西桂支店の跡地に建てた新店舗に移った。
3階建ての新店舗は、1階に支店、2階にコンサル拠点の「京都FGコンサルティングSTATION桂」が入居。銀行本体のローンや信託の担当者のほか、系列の京銀証券(下京区)のスタッフが常駐する。
京銀によると、阪急沿線では桂駅周辺を中心に住宅開発が進んでいる。人口増加に伴い、投資信託や株式への投資、住宅ローン、相続・資産承継などの相談を見込むという。
安井幹也頭取は「金利のある世界でリアルな対応が重視される中、ワンストップで様々な相談に応え、利便性を高めたい」と語る。
京都中央信用金庫がタブレット導入 相談時間の捻出を図る
京都中央信用金庫は、昨年10~11月、全135店舗のロビーと窓口にタブレット端末を設置。従来必要だった複数の伝票や書類への記入を端末への1度の入力で完結させ、事務手続きの効率化を図る。
来店客には記入の負担軽減と待ち時間の短縮につながるが、中信には「相談時間の捻出」という狙いもある。橋本秀哉・専務理事は「手続きが早く終われば、その時間で何か聞いてみようというケースがあるはず」と期待する。
京都信用金庫が課題解決型店舗を拡大 午後は相談対応に集中
京都信用金庫は、窓口営業を午前に限定し、午後は予約制の相談対応や訪問に充てる「課題解決型店舗」を増やしている。信金初の取り組みで、全95店舗のうち48店舗で導入済みだ。
竹口尚樹・常務理事は「個人の資産形成や相続だけでなく、事業の販路開拓や人材紹介など、状況に応じて顧客の課題解決を支援する」と述べ、将来的には全店舗へ広げる考えだ。
環境変化に対応 店舗網維持と対面営業の価値を見直す
2000年代に入り、金融機関を取り巻く環境は様変わりした。人口減少や、ネットバンキングの影響で、来店客は減少傾向にある。低金利の長期化で収益力が低下し、店舗の統廃合を進める動きも目立つ。一方、府内の地域3金融機関に共通するのは「店舗網の維持」という方針だ。
中信の橋本専務理事は「地域金融機関の強みは、『対面営業』を付加価値として提供できる点。オーダーメイドのサービスで優位性を発揮していく」と話す。
京信の取り組みもその表れ。竹口常務理事は「過疎地域でも撤退せず、店舗を存続させるにはどうすればいいか。それが課題解決型店舗だった」と言う。
府外の都市部などに出店する「広域型地方銀行」を旗印とする京銀は、多くの地銀の方針とは逆に店舗網を拡充する。00年に117だった店舗数は、174(うち14は店舗内店舗、昨年8月現在)になった。
安井頭取は「店舗を減らす気はないが、同じエリアに複数あれば、統合はありえる」とした上で、店舗の老朽化などを機にコンサル拠点を増やす可能性を示唆。3金融機関の相談機能の強化は今後も続きそうだ。



