京都の地域金融機関が対面相談機能を強化、資産運用機運の高まりに対応
京都府内の地域金融機関が、住宅ローンや投資信託など顧客の悩みに応えるコンサルティング拠点を新設するなど、「対面」の相談機能を強化しています。背景には、マイナス金利政策の解除により「金利のある世界」が復活し、個人資産の運用や形成の機運が高まっていることがあります。この動きは、人口減少やネットバンキングの普及で来店客が減少傾向にある中、地域金融機関が店舗網を維持しつつ、付加価値サービスで優位性を発揮しようとする戦略の一環です。
京都銀行がコンサル拠点を新設、ワンストップサービスを提供
京都フィナンシャルグループ(FG)は昨年11月、傘下の京都銀行の桂支店・西桂支店を西京区で新築移転しました。3階建ての新店舗には、2階にコンサル拠点「京都FGコンサルティングSTATION桂」が入居し、銀行本体のローンや信託の担当者に加え、系列の京銀証券のスタッフが常駐します。安井幹也頭取は、「金利のある世界でリアルな対応が重視される中、ワンストップで様々な相談に応え、利便性を高めたい」と語っています。阪急沿線では桂駅周辺を中心に住宅開発が進み、人口増加に伴い、投資信託や株式への投資、住宅ローン、相続・資産承継などの相談需要を見込んでいます。
京都中央信用金庫と京都信用金庫が効率化と課題解決型店舗で顧客支援
京都中央信用金庫は、昨年10~11月に全135店舗のロビーと窓口にタブレット端末を設置し、事務手続きの効率化を図りました。橋本秀哉・専務理事は、「手続きが早く終われば、その時間で何か聞いてみようというケースがあるはず」と期待し、相談時間の捻出を狙っています。一方、京都信用金庫は、窓口営業を午前に限定し、午後は予約制の相談対応や訪問に充てる「課題解決型店舗」を増やしています。全95店舗のうち48店舗で導入済みで、竹口尚樹・常務理事は、「個人の資産形成や相続だけでなく、事業の販路開拓や人材紹介など、状況に応じて顧客の課題解決を支援する」と述べ、将来的には全店舗へ広げる考えを示しています。
店舗網維持を重視する地域金融機関の戦略
2000年代以降、金融機関を取り巻く環境は大きく変化し、来店客の減少や低金利の長期化で収益力が低下しています。しかし、府内の地域3金融機関は「店舗網の維持」を共通方針としています。中信の橋本専務理事は、「地域金融機関の強みは、『対面営業』を付加価値として提供できる点。オーダーメイドのサービスで優位性を発揮していく」と強調します。京信の竹口常務理事も、「過疎地域でも撤退せず、店舗を存続させるにはどうすればいいか。それが課題解決型店舗だった」と語り、地域密着型の取り組みを推進しています。京銀は、多くの地銀が店舗統廃合を進める中、逆に店舗網を拡充し、老朽化などを機にコンサル拠点を増やす可能性を示唆しています。3金融機関の相談機能強化は、今後も継続されそうです。



