十八親和銀行、合併5年で長崎県内企業の8割をカバー デジタル化時代の銀行像を山川頭取が語る
十八親和銀行、合併5年で長崎企業8割シェア デジタル化時代の銀行像 (04.03.2026)

十八親和銀行、合併5年で長崎県内企業の8割シェアを獲得

十八親和銀行(長崎市)は、昨年10月に合併から5年を迎えた。長崎県内企業のメインバンクとして、約8割のシェアを占めており、地域経済に重要な役割を果たしている。同行の山川信彦頭取(60)が、現状や今後の展望について語った。

合併の背景と経営基盤の強化

山川頭取は、合併の理由について「県の南北にあった十八銀行と親和銀行が、時には競い合ってきたが、将来の長崎では企業数や経済活動の衰退が予測され、地域を支える銀行が必要と考えた」と説明。この5年間は、経営基盤の強化に注力し、離島や半島が多い長崎の特性を考慮して、拠点や人員の整理を進めた。合併時と比べ、拠点数は79店減の103店となり、効率化を図った。外部からの格付けも高く評価されており、基盤の形作りは完了したと述べた。

デジタル化時代の銀行の役割

デジタル化が進み、電子マネーやネット銀行が普及する中で、銀行の役割について山川頭取は「近くて便利な場所」という従来の在り方だけでなく、非対面取引の体制を整えることが重要と指摘。顧客の成長につながる役割が求められており、行員には「傾聴力」を鍛えるコーチング研修を通じて、潜在的なニーズを掘り出す能力を育成していると語った。

将来の銀行像と地域課題への取り組み

将来の銀行像について、山川頭取は「金融ビジネスだけでは変化が生まれず、銀行の存在意義が失われる可能性がある」と警告。定型的な商品販売や窓口業務はAIで完結するかもしれないが、人でしかできない付加価値が高まっていると強調。提案営業やソリューション営業を通じたコンサルティングを行う課題解決型の銀行を目指すと述べた。

また、ふくおかフィナンシャルグループのサービス「vary(バリー)」では、若年層を対象にポイント還元を行い、銀行口座の利用促進を図っている。提携先を増やし、便利さを通じて満足度を高めたいと語った。

長崎の地域格差と銀行の展望

長崎県では、スタジアムシティや西九州新幹線開業などで活気が生まれているが、山川頭取は「地域間格差が生じており、長崎市や諫早市など新幹線沿線の利益を他の自治体にも享受させる体制が必要」と指摘。支店網を活用し、経済界や行政をつなぐハブとして、地域課題の解決に貢献したいと展望を語った。

山川頭取は長崎県出身で、1989年に一橋大学経済学部を卒業後、親和銀行に入行。合併後の2020年10月に十八親和銀行の執行役員に就任し、2022年4月から現職を務めている。