政府と日本銀行が4月30日に続き、大型連休中にも円買いドル売りの為替介入を実行したとの見方が広がっている。市場では「158円介入」とも呼ばれるこの措置の背景には、1ドル=160円台を防衛する強い意図があるとみられる。為替市場に詳しいあおぞら銀行の諸我晃チーフ・マーケット・ストラテジストに、介入の実態と今後の見通しを聞いた。
連休中の円急騰、介入の可能性
――政府・日銀が大型連休期間の5月1~6日にも複数回、外国為替市場で円買いドル売り介入を行ったとの見方があります。
「6日の円相場は、1ドル=158円近い水準から一時3円近く急騰し、155円台前半まで上昇しました。相場の雰囲気からしても為替介入の可能性が高いです」
「一方、1日と4日にみられた1円ほどの上昇は判断が難しい。相場が介入を警戒して神経質な時期には、大口のドル売りがあっただけでも、あのような反応が出るからです。とはいえ連休中は当局も警戒を強めていたとみられ、介入があった可能性も捨てきれません」
防衛ラインは158円か
――4月30日の介入時は1ドル=158円台でした。政府・日銀の「防衛ライン」はどこにあるのでしょうか。
「明確なラインは公表されていませんが、市場では1ドル=160円が強く意識されています。160円を超えると、輸入物価の上昇や国民生活への影響が一段と深刻化するため、当局はそれを防ぎたいのでしょう。そのため、158円台での介入は『160円防衛のための予防措置』とも言えます」
円安圧力の根本要因
――円安圧力は依然として強いです。さらなる修正には何が必要ですか。
「日米金利差が最大の要因です。米国の利下げ観測が後退する一方、日銀の利上げペースは緩やかで、金利差が縮小していません。また、日本の貿易赤字や経常収支の悪化も円安を招いています。根本的には、日本経済の競争力強化や構造改革が必要ですが、短期的には日銀の追加利上げや米国の利下げが円高材料となるでしょう」
今後の見通し
――連休明けの市場では、介入観測を受けて円高が進む可能性があります。
「介入は一時的な効果しかなく、持続的な円高にはなりません。市場は介入の有無よりも、日米の金融政策や経済指標に注目しています。今後も158~160円のレンジでの推移が続き、介入リスクを抱えた神経質な展開が予想されます」
――ありがとうございました。



