JRエキナカで食の循環を実現するサステナブルフェアが開催中
廃棄される食材をおいしく生まれ変わらせる画期的な取り組みが、JRのエキナカ商業施設で展開されています。「ぐるぐる、つなげる」と名付けられたサステナブルフェアが、JR秋葉原駅をはじめとする8館のエキュートなどで開催されており、持続可能な食の未来を考える貴重な機会を提供しています。
第1弾「おいしいめぐみ」では11店舗が参加
現在開催中の第1弾「おいしいめぐみ」フェアは3月29日まで実施され、11の飲食店が参加しています。これらの店舗では、ハンバーガーやスイーツなど合計33種類の循環型メニューを展開し、食品ロス削減と美味しさの両立を目指しています。
エキュート秋葉原にある洋菓子店「ランメイシャスイーツファクトリー」では、廃棄予定のパンの一部を冷凍保存し、飼料として再加工する独自のシステムを構築。この飼料で育った鶏やその卵を、同店やコラボレーション店舗が活用しています。パンに含まれる小麦や穀物の栄養が鶏の健康を支え、結果として美味しい卵を産ませるという好循環が生まれています。
親鶏の新たな可能性を開拓
卵を産み終えた親鶏は、一般的に肉質が硬く可食部も少ないため、食用として利用される機会が限られていました。しかし、このフェアでは親鶏ならではの強いうまみに着目。丁寧な調理技術で新たな価値を引き出す試みがなされています。
エキュートエディション有楽町の「TOKYO ALEWORKS STATION TAPROOM」では、ビール製造過程で発生する廃麦(麦芽かす)をパン生地に練り込む工夫を実施。500リットルのビール製造で約250キロ発生する廃麦を有効活用しています。同店が提供する「照り焼きベーコンエッグバーガー」(1700円)は、この廃麦入りバンズを使用した代表的な商品です。
多様な食材の循環サイクルを構築
硬い肉質の親鶏は手作業で丁寧にさばかれ、細かくミンチにして食感を調整。卵や特製ソースと組み合わせることで、親鶏特有の深いうまみとコクを最大限に引き出しています。さらに規格外の完熟柿を隠し味に加えることで、甘じょっぱい複雑な味わいを実現しました。
エキュートエディション新橋のベーカリー「Truffle mini」では、卵と廃麦入りのパンを活用した「サステナブルな黒トリュフのたまごサンド」(730円)を販売。定番の味わいを保ちながら、パンから鶏へ、鶏から卵へ、卵から再びパンへという持続可能な食のサイクルを具体化しています。
月間5千点のロスパンから生まれる協力
参加店舗間では、月間約5千点発生するロスパンをはじめ、親鶏、規格外フルーツなど15種類以上の未利用・余剰食材を共有。店舗同士が協力し合い、未来を見据えたメニュー開発に取り組んでいます。この連携により、単なる廃棄物削減ではなく、新たな食文化の創造へと発展しています。
フェアでは他にも、ロスパンを利用したウィートエール(ビール)、廃麦入りのグラノーラ、処分予定の卵白を使用したチーズケーキなど多様な商品が提供されています。「船橋屋こよみ」が販売する廃麦入りグラノーラ(黒蜜そると・600円)は、朝食としても人気を集めています。
美味しさが社会への優しい選択に
すべての販売店舗情報は特設サイトで確認可能です。このフェアの最大の特徴は、消費者が普段通りに「美味しい」と感じながら食事を楽しむことが、そのまま社会への優しい選択につながる点にあります。持続可能な食の循環を実現するためには、生産者、飲食店、消費者すべての参加が不可欠です。
JRエキナカという日常的な空間で展開されるこの取り組みは、サステナビリティの概念を身近に感じさせる効果的な試みと言えます。食品ロス問題に対する認識を深めるとともに、循環型社会の実現に向けた具体的な一歩として注目されています。



