東京・西葛西のリトルインディアで味わう本格チキンビリヤニ『ムンバイパレス』
西葛西のリトルインディアで本格チキンビリヤニを味わう

東京のリトルインディア・西葛西で本格ビリヤニを探求

近年、日本でも人気が高まっているインド料理のビリヤニ。その本格的な味を求めて、東京・江戸川区西葛西を訪ねた。この地域は約30年にわたり、都内随一のインディアンコミュニティが形成され、数多くの本格インド料理店が軒を連ねる「リトルインディア」として知られている。

歴史を感じる散歩道からレストランへ

目的地である『ムンバイパレス』へ向かう前に、船堀駅周辺からバスで西葛西方面へ移動。都バス「新小21」系統に乗車すると、途中のバス停名に七軒町、棒茅場(ぼうしば)、六軒町といった昔の小字の名残が確認できる。棒茅場という地名は、かつて湿地帯に繁茂したカヤ(茅)に由来すると伝えられ、この一帯が水辺の風景だったことを物語る。

バス通りは旧小川の暗渠上に整備されており、沿道には水神を祀る神社が点在。宇喜多川公園では、象の鼻を思わせる長いスベリ台やアスレチック遊具が設置され、地域の子供たちの憩いの場となっている。さらに進むと、十八軒水神宮が現れ、大正時代の古地図には十軒、十四軒、十八軒といった集落名が記録されている。これらの「軒」は、集落間を流れる川の幅を示す「間(けん)」が転じたとする説もある。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

行船公園内にある江戸川区立自然動物園も見逃せないスポットだ。ヒツジとの触れ合いコーナーをはじめ、ケナガクモザル、オタリア、レッサーパンダ、ショウジョウトキなど多様な動物を無料で観察できる。充実した施設内容は、区立動物園としては特筆に値する。

『ムンバイパレス』で味わう本格チキンビリヤニ

散歩を終え、新田仲町通りに差し掛かると、インドの三色旗を掲げた『ムンバイパレス』が姿を現す。マンションビル1階にある店内は、控えめな照明がムンバイの街並みを連想させる雰囲気を醸し出している。壁面には常連客であるインド人イラストレーターが描いたムンバイの街風景や映画俳優のイラストが飾られ、異国情緒をさらに高めている。

店長のニウレさんをはじめ、スタッフは全員が南アジア出身者。隣席ではインド人ビジネスマンが指先でカレーを食べるなど、本場の食文化がそのまま再現されている。オーナー夫人がムンバイ出身であることから、店名も『ムンバイパレス』と名付けられたという。

平日限定ランチ「チキンビリヤニセット」(1290円)を注文。バスマティーライスと呼ばれる細長いインド米を茹でて炊き込むビリヤニは、インゲンやニンジン、フライドオニオンが散りばめられ、皿の底には炭焼き風味の鶏肉が隠されている。スパイスが効いたヨーグルトソースをかけても良し、そのままでも十分に味わえる。サラッとした食感の米飯は、見た目以上のボリュームがありながらも軽やかで、食欲をそそる。

サイドメニューとして「チキンティッカ」(1ピース190円)も試食。骨なし肉を使用したタンドリーチキンは、香ばしい焼き目とジューシーな食感が特徴だ。飲み物にはマンゴーラッシーを合わせ、南アジアの食卓を完璧に再現した。

地域に根ざした食文化の魅力

西葛西周辺には、『ムンバイパレス』のような本格インド料理店が多数存在する。これらは単なるレストランではなく、在日インド人コミュニティの社交場としても機能し、地域の多文化共生を象徴する存在となっている。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ

江戸川区の歴史散歩と組み合わせることで、グルメ体験は単なる食事を超え、地域の文化と歴史を深く理解する機会となる。棒茅場のバス停から十八軒水神宮を経て、行船公園の自然動物園を見学し、最後に『ムンバイパレス』でビリヤニを味わうコースは、東京下町の新たな魅力を発見する絶好のルートと言えるだろう。

店舗情報:ムンバイパレス(東京都江戸川区西葛西5-8-19、電話03-5658-4028)。営業時間は11:00~15:00、17:00~22:30で定休日は無休。※2026年3月6日時点の情報。