福島・いわきに新レストラン「一平マーケットスタジオ」がオープン、老舗料亭の味を継承し地域活性化を目指す
福島県いわき市の中央卸売市場内に、新たなレストラン「一平マーケットスタジオ」が誕生しました。このレストランは、東日本大震災後に閉店した老舗料亭「割烹一平」の味を継承し、地域の活性化に貢献することを目指しています。運営するのは、外食企業のテンミールいわきで、役員の興津雅輝さんと妻の容子さんが中心となって運営に携わっています。
老舗料亭の味を現代風にアレンジ
一平マーケットスタジオの看板メニューは、あんこうラーメンです。これは、かつて市内で営業していた高級料亭「割烹一平」の人気メニューであったあんこう鍋を、より気軽に楽しめるようにラーメンにアレンジしたものです。容子さんは、「あんこう鍋は割烹一平の代名詞だった。あの味を多くの人に楽しんでもらいたい」と語り、伝統の味を現代の食文化に融合させた取り組みを強調しました。
レストランでは、地元の近海で獲れた新鮮な魚介類を使用し、和食の技術を駆使した料理を提供しています。メニューは、その日に市場で水揚げされた魚介類に基づいて決定され、定食や弁当なども用意されています。これにより、地元産の食材を活かした多彩な料理を楽しむことができます。
震災をきっかけに始まった地域貢献の取り組み
テンミールいわきは、2011年3月の東日本大震災で被災者に温かい食事を提供した経験をきっかけに、学校給食事業を開始しました。その後、地元住民から、震災後に閉店した市場内の食堂を再開することで、市場に活気を取り戻したいという声が寄せられ、このプロジェクトに参加することを決めました。
割烹一平は1938年に創業し、福島県内外から多くの客が訪れる人気店でしたが、2011年の震災と福島第一原子力発電所の事故の影響で客足が遠のき、閉店を余儀なくされました。興津雅輝さんは、創業前から割烹一平と縁があり、料理人としての修行を積んだ経験を持っています。このような背景から、老舗の味を継承することは、地域の歴史と文化を守る意味でも重要な役割を果たしています。
困難を乗り越えてのオープン
一平マーケットスタジオの開店準備は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で難航しましたが、2025年12月に市場関係者向けのプレオープンを実施し、2026年2月5日に正式に営業を開始しました。レストランは市場の2階に位置し、木曜日、金曜日、土曜日の午前8時から午後2時まで営業しています。あんこうラーメンは、3月末までの期間限定メニューとして提供される予定です。
興津雅輝さんは、「食を通して、この地域の活性化に貢献できれば」と語り、レストランが地域コミュニティの再生に寄与することを願っています。この取り組みは、震災からの復興と地域経済の振興を目指す象徴的な事例として、注目を集めています。



