人工干潟予定地で見学会、自然干潟の存在を確認
千葉県市川市の人工干潟造成計画に反対する市民団体が18日、予定地で見学会を開催した。市は護岸前の東京湾に幅100メートル、奥行き50メートルの人工干潟を新設する方針だが、見学会では予定地のすぐ沖側に自然干潟が存在することが確認された。参加者からは「すぐそこに自然干潟があるのに、なぜ人工干潟を造るのか」と、改めて計画撤回を求める声が上がった。
市はJR市川塩浜駅南側の塩浜三番瀬公園前に人工干潟を造成し、本年度設計、来年度から2カ年で建設する計画。これに反対する八つの市民団体は3月に合同シンポジウムを開いており、今回は実際に予定地を訪れた。
見学会の詳細
見学会では、市川三番瀬を守る会会長の谷藤利子さんが約20人の参加者に市の計画を説明。引き潮に合わせて開催され、一帯は浅海域のため、天然のカキが重なった「カキ礁」などが各所に現れた。三番瀬を守る署名ネットワーク代表の田久保晴孝さんは野鳥観察用のフィールドスコープを持参。参加者が交代で観察すると、人工干潟予定地のすぐ沖側に土砂が堆積して海面に表出した自然干潟があり、田久保さんは「干潟は既にある」と指摘した。
八つの市民団体は江戸川河口部の自然干潟活用を求めており、今回の確認で「新たに人工干潟を造る必要はない」と一致した。
反対署名3回目、計1万6828筆を提出
八つの市民団体は20日、計画中止を求める合同署名を市に提出。昨年3月、8月に続く3回目で、新たに5413筆が加わり計1万6828筆となった。田中甲市長が4月の市長選で再選されたため、「中止・撤回を求める要望書」も改めて提出した。
署名を集めたのは市川緑の市民フォーラム、県自然保護連合、県野鳥の会など。各団体代表ら10人が市役所行徳支所を訪れ、小川広行支所長に署名と要望書を手渡した。今回の署名は用紙1168筆、オンライン4245筆分。
要望書では、人工干潟がラムサール条約の「湿地復元のガイドライン」に抵触するなどと指摘。また、昨年5月の記者会見で田中市長が江戸川河口部の自然干潟を市民の憩いの場として整備すると表明したが具体化されていないため、「安全な活用のための整備に期待する」としている。
市は人工干潟新設の目的として、市民が海に直接触れられる場所の創出や、三番瀬の生き物・漁業・漁場再生の象徴的な場所とすることを掲げている。



