三重県の特産「的矢かき」を全国へ発信 新店舗「別亭まとや」が4月1日に開業
三重県の「三重ブランド」に認定されている特産品「的矢かき」を唯一生産する佐藤養殖場(志摩市磯部町的矢)が、4月1日に新たな店舗「別亭まとや」をオープンします。この開店に向けて、考案されたメニューの試食会が行われ、店長に就任する川西真矢さん(41)の熱意が感じられました。
養殖場直営レストランで味わう地元の恵み
養殖場内にある直営レストラン「的矢かきテラス」では、2階席のテーブルに地元産食材をふんだんに使ったメニューが並びました。背後には、カキの養殖いかだが浮かぶ穏やかな的矢湾の景色が広がり、食と自然の調和を感じさせる空間となっています。
この日の試作メニューは4品で、主役はもちろん的矢かき。生ガキはクリーミーな味わいと貝柱の甘みが特徴で、そのまま食べるのがおすすめです。みそ鍋はカキ本来の味を引き立てるため、みその風味を控えめに調整。郷土料理の手こね寿司には、自家製のタレで漬けたマグロの赤身を使用し、伝統と革新を融合させました。
店長・川西真矢さんの挑戦と決意
川西さんは鳥羽市で生まれ育ち、高校卒業後は愛知県内の飲食店で約20年間働いてきました。当時は昼夜逆転の生活を送り、自分の食事は1日2回だけという忙しい日々を過ごしていました。
転機が訪れたのは昨年秋ごろ。共通の知人を通じて、佐藤養殖場の5代目社長である浜地大規さん(45)と出会い、「新しいことをやるのが好き」という川西さんは、新店舗の店長を引き受けることを決意しました。以来、毎日のように伊勢市から通い、メニューの考案やスタッフ向けマニュアルの作成に奔走。現在は早起きして朝食を取ることも多く、「普通の人に近い食事スタイルになった」と笑顔で語ります。
地元食材にこだわる「別亭まとや」のこだわり
別亭まとやは、近くのホテルの敷地内で営業を開始します。旅行で訪れる観光客に地元食材をおいしく味わってもらうため、カキ以外の素材にも徹底的にこだわります。魚はその日に水揚げされた旬のものを市場で仕入れ、炭火焼きで提供。伊勢エビやアオサ、伊賀牛など三重県内の特産品を使ったコース料理も計画中です。
佐藤養殖場は昨年、創業100周年を迎えた老舗です。その歴史とブランドを守る一員として、川西さんは「ここでしか食べられないものを提供し、的矢かきを全国に広めたい」と力強く宣言。新たな環境に身を投じ、地域の食文化と真摯に向き合っていく姿勢が印象的です。
川西真矢さんのプロフィール
川西真矢さんは1984年12月、鳥羽市生まれ。実家はカキ養殖業を営んでいます。鳥羽高校を卒業後、工場勤務を経て、愛知県内の飲食店で長年にわたり働きました。食の流行を探るため、休日には県内外の飲食店を訪れることも。好物はカレーで、多様な食体験を重ねてきた背景が、新店舗のメニュー開発に活かされています。
