日村はさらに言葉を続けた。
日村の強い口調
「待ってくれと言っているんです」と日村はやや強い口調で言った。その様子を見て、甘糟は心配そうな表情を浮かべている。日村は今度は甘糟に向き直り、尋ねた。
「いったいどういうことですか?」
「いや、だから……」と甘糟が何か言いかけた瞬間、仙川が鋭く遮った。
「何も答える必要はない。さあ、行くぞ」
仙川が健一の手を取ろうとする。それを見て日村は言った。
健一の行動への疑問
「健一が何をしたというのですか?」
ようやく仙川が答えた。
「一般人に対して害悪の告知をした。暴対法違反だ。場合によっては脅迫罪にもなりうる」
「逮捕ですか?」と日村が尋ねる。
「署で話を聞く」
「ですから、逮捕なのか任意なのかをお聞きしているんです」
仙川が日村を睨みつけた。
「ヤクザがごちゃごちゃ言うんじゃない」
「いや、言わせてもらいますよ。逮捕だというなら、逮捕状を見せてもらいます。任意なら同行をお断りします」
仙川が舌を鳴らす。どうやら逮捕状は持っていないようだ。ならば仙川たちを追い返すこともできる。
健一の決断
日村がそう思ったとき、健一が口を開いた。
「日村さん。いいんです」
「なに……?」
「俺、警察に行ってきます」
仙川が勝ち誇ったような顔で日村を見る。甘糟は困り果てた表情を浮かべていた。



