大谷石の廃棄石粉を陶器に再生、宇都宮の新たな名物として「餃子像」ミニチュア発売
栃木県宇都宮市で採掘される大谷石の加工切削時に排出される石粉を活用した陶器が開発され、第1弾としてJR宇都宮駅前にある「餃子(ギョーザ)像」をかたどったミニチュア商品が発売された。この取り組みは、地域資源の有効活用と新たな土産品の創出を目指すもので、開発には不動産業者や県の支援機関が関わっている。
石粉の有効活用と地域課題の解決へ
開発を手掛けたのは、宇都宮市石井町の不動産業ジェイ・クリエイトである。同社の飯村淳代表は大谷石事業にも携わっており、日々数十キロ排出される石粉の大半が廃棄物となっている現状に着目。石粉は一部が肥料として利用されるものの、有効活用が進んでおらず、環境面での課題となっていた。
また、大谷石は建材として主に使用されるため、小さく加工することが難しく、コースターを除くと手頃な価格帯の土産品が乏しいことも地域の課題だった。飯村代表は「地域資源を活かし、新しい名物として定着させたい」と意図を語る。
約80%の石粉使用で独自の陶器粘土を開発
陶器用に開発された粘土は、石粉を約80%使用して調合されている。焼成温度や温度上昇の速さなどの条件を変えながら試験を繰り返し、釉薬(ゆうやく)を使わない素焼きで大谷石の自然な風合いを表現することに成功した。
この開発には、栃木県の「とちぎ未来チャレンジファンド」からの助成を受け、県産業技術センター窯業技術支援センター(益子町)と共同で行われた。技術的な支援により、廃棄物を高付加価値製品へ転換する道筋がつけられた。
第1弾商品は宇都宮餃子会監修のミニチュア餃子像
商品化された餃子像は、高さ約10センチのミニチュアで、実物の約20分の1の大きさを再現している。クリアケース入りで価格は1320円に設定され、宇都宮餃子会の監修を受けている。
販売は、同会直営の飲食店「来らっせ本店」や、宇都宮市大谷町の商業施設ベルテラシェ大谷などで行われている。地域のシンボルを陶器で表現することで、観光客や地元住民に親しみやすい商品としてアピールしている。
今後の展開と地域活性化への期待
今後は、招きネコなどの置物をラインアップに加える計画が進められている。また、釉薬で色付けしやすい特性を活かし、益子焼の作家への提供も検討中だ。これにより、伝統工芸との連携や芸術性の高い製品開発が期待される。
飯村代表は「この商品が地域の新しい名物として定着し、大谷地域の活性化につながればうれしい」とコメント。廃棄物の再利用を通じた持続可能な地域経済の構築を目指している。
大谷石の石粉を陶器へと生まれ変わらせるこのプロジェクトは、環境配慮と地域産業の振興を両立させたモデルケースとして、今後の展開が注目される。



