高齢者狙う「終活支援」マンション投資トラブル、警視庁が不動産会社を捜査
高齢者狙う「終活支援」マンション投資トラブル、警視庁捜査

高齢者を狙った「終活支援」マンション投資、警視庁が不動産会社を捜査

東京都に住む80代女性が、投資用ワンルームマンションの購入をめぐるトラブルに巻き込まれた。親族や警視庁への取材により、ある不動産業者が「終活支援」などと称して高齢者らを勧誘していた実態が明らかになった。この事件は、高齢化社会における消費者被害の深刻さを浮き彫りにしている。

親身な勧誘で信頼を得た男の正体

女性の親族によると、男が女性宅を最初に訪ねたのは2023年2月ごろだった。当時、女性は都内の戸建てに一人で暮らしており、男について「身の上話を親身に聴いてくれる人」と話していた。しかし、約2カ月後の4月、女性は預金通帳を見せながら不安そうに「これなんだと思う? 私はわからないの」と訴えた。通帳には3月11日に1千万円、同12日に600万円が「●●フドウサ」という不動産会社らしき口座に振り込まれた記録が残されていた。

親族は以前、女性からマンション投資について聞かれたことを思い出したが、女性宅には売買契約書や名刺が見当たらず、女性自身も「マンションを買ったんじゃないの?」との問いに「わからない」としか答えなかった。この状況から、女性が契約内容を十分に理解していない可能性が指摘された。

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軽度認知症の女性が巻き込まれた高額取引

女性はかつて教員として働いていたが、高齢になり、軽度のアルツハイマー型認知症と診断されていた。親族はすぐに警察に相談し、女性の銀行口座の取引を停止する手続きを取った。取引の具体的な内容は不明だったが、5月に国が不動産購入者に送るアンケートが女性宅に届くなどして、状況が徐々に判明した。

調査の結果、女性が神奈川県厚木市の築30年超のワンルームマンションを1600万円で購入したことになっていた。さらに、女性はこの取引のために生命保険と投資信託を解約していたことも明らかになった。親族は、不動産会社が女性の認知症を悪用した詐欺的商法の疑いがあると主張している。

警視庁が不動産会社を捜査、高齢者被害の防止へ

警視庁は、この不動産会社が「終活支援」を名目に高齢者をターゲットにした不当な勧誘を行っていた可能性を重視し、捜査を進めている。事件は、高齢化が進む日本社会において、消費者保護の重要性を改めて問うものとなった。専門家は、高齢者が不動産投資などの複雑な契約に巻き込まれるケースが増えており、家族や行政による早期の介入が不可欠だと指摘する。

このトラブルは、単なる経済的損失にとどまらず、高齢者の尊厳や生活の質にも影響を及ぼす深刻な問題として、社会全体で対策を講じる必要性が浮き彫りにされている。

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