訪日客減少を国内客の「ご褒美需要」が補う 高島屋社長が語る地方の課題と展望
訪日客減少を国内客の「ご褒美需要」が補う 高島屋社長に聞く

大手百貨店のインバウンド(訪日外国人客)向け販売が、中国との関係冷え込みや中東情勢の悪化に直面している。その一方で、国内客がその減少を補う動きも出ているが、人口減少による市場の伸び悩みが実情だ。高島屋の村田善郎社長に、足元の状況や今後の見通しを聞いた。

インバウンド減少と国内需要の変化

――2026年2月期の決算では、国内店舗の免税売上高が前年比で約2割減少しました。27年2月期の計画でも約1割減としています。

「最も気になるのはイラン情勢です。航空便の燃油サーチャージが上がる懸念があります。ただ、日本を訪れる富裕層は多く、価格変動の影響を受けにくいとみています。今年度の計画は保守的との見方もありますが、現在は円安が進んでいるため、円高リスクを考慮した部分があります。インバウンドの1日あたりの売上は足元で少し増加しており、計画を上回る見通しです」

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訪日客の動向と国内客の「ご褒美需要」

――訪日客の動向はいかがですか。

「昨年あたりからタイやシンガポールなど東南アジアからの観光客が増えています。中国からの客足は依然として戻りきっていませんが、その分を国内客の『ご褒美需要』が補っています。特に、高級品や体験型消費への支出が顕著で、百貨店にとっては追い風です。しかし、地方店舗では人口減少の影響が大きく、集客に苦労しています」

地方百貨店の課題と戦略

――地方の百貨店はどのように対応していますか。

「地方では、地域の特性に合わせた品ぞろえやイベントを強化しています。例えば、地元の特産品を扱うコーナーを拡充したり、観光客向けの体験イベントを開催したりしています。また、オンライン販売を活用して、全国の顧客にアプローチする取り組みも進めています。ただ、人口減少が続く中で、従来のビジネスモデルだけでは限界があるのも事実です」

今後の展望

――今後の百貨店業界の展望についてお聞かせください。

「インバウンド需要は中長期的には回復すると見ていますが、それだけに頼るわけにはいきません。国内客の『ご褒美需要』を取り込むためには、特別な体験や高品質なサービスを提供することが重要です。また、地方創生の観点から、百貨店が地域のハブとしての役割を果たすことも求められています。デジタル技術を活用した新たな販売チャネルの開拓や、サステナビリティへの取り組みも進めていきます」

――ありがとうございました。

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