タワマン高騰で戸建てに人気シフト?40代が選んだ駅徒歩18分の新築戸建ての理由
首都圏における中古マンションと新築戸建ての成約価格の推移を見ると、都市部の新築マンションの価格高騰や供給不足の影響で、戸建て住宅に注目が集まっている。広さを確保しやすい利点もある。不動産大手も戸建て需要を取り込むため、事業を強化している。
会社員の40代女性は今年3月、結婚を機に東京都練馬区に駅から徒歩18分の新築戸建て住宅を買った。当初は23区内のマンションを探したが「億ション」だらけの現状に驚いた。「5年前に買っておけば……」。半年間探し続けたが、住宅ローンに加え、管理費や修繕積立金の負担を計算すると、マンションは諦めざるをえなかった。
そこで、倍率4倍の抽選を経て今の戸建て住宅を購入した。通勤は手間だが、検討していたマンションより2割ほど安く購入できた。延べ床面積85平方メートルの広さにも満足しているという。「ローン返済に余裕をもって、身の丈に合った生活ができる」
東日本不動産流通機構によると、首都圏の2025年度の新築戸建ての成約件数は1万6894件、中古戸建ては過去最高の2万2042件。いずれも3年連続で前年を上回っている。「コスパ良く、広い」「タワマン人気の揺り戻し」と評される。
戸建ては価格上昇も緩やかで、マンションに比べて管理費や修繕積立金の負担がないため、長期的なコストを抑えられる。特に40代のファミリー層を中心に、駅からの距離を妥協してでも広い住まいを求める傾向が強まっている。
この現象の背景には、東京圏への一極集中が続く中で、限られた土地に戸建てを建設するため、必然的に「割高な土地に立つプレミアム狭小住宅」が増えている実態がある。しかし、それでもマンション価格の高騰に比べれば、相対的な割安感が戸建て需要を支えている。
不動産大手もこの流れを受け、戸建て事業を強化。例えば、三井不動産や住友不動産などが郊外の大規模開発を進めており、駅から離れた立地でも、子育て環境や広さを重視する層にアピールしている。
一方で、駅から遠い戸建ては車社会が前提となるケースも多く、今後の交通インフラや高齢化の影響が課題となる。しかし、当面はマンション価格の高止まりを背景に、戸建て人気が続くとみられる。



