ナフサ供給不安、政府説明に注文 在庫・目詰まり・価格、識者「丁寧な説明を」
ナフサ供給不安、政府説明に注文 識者「丁寧な説明を」

医療チューブや弁当容器、インクなど幅広い製品の原料となる原油由来の「ナフサ」。中東情勢の悪化で供給不安が高まる一方、政府は必要な量は確保できると繰り返している。このギャップはどこから生まれるのか。エネルギー経済社会研究所の松尾豪代表に聞いた。

ポテトチップスの袋が白黒に

――ポテトチップスの袋が白黒に変わったり、シンナーが不足したり。この状況をどのように見ていますか。

「ホルムズ海峡の事実上の封鎖で、世界全体の原油の供給量は減っています。そのため、海外で加工され、日本が輸入していたナフサ由来の基礎化学品や原材料も減ると予想されます。カルビーは今回の対応を『予防的』なものと説明しているそうですが、今後予想される輸入減への備えだと思います」

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「私が事業者に聞いている話では、在庫は確かにあるものの、特定の品目で偏りが生じているとのことです。また、価格高騰が懸念されており、すでに一部の製品では値上げの動きが出ています。政府は『必要な量は確保できる』と強調しますが、実際には供給が滞る『目詰まり』が発生するリスクがあります。特に、インクや塗料など、少量のナフサ由来品が欠けるだけで生産ライン全体が止まる業種への影響が懸念されます。政府には、在庫の実態や価格対策、そして目詰まりへの対応策について、より丁寧な説明が求められます」

政府の説明と現場のギャップ

――政府はナフサ由来品について「年越え供給可能」としていますが、その根拠は。

「政府の試算は、現在の在庫量と通常の消費ペースに基づいています。しかし、中東からの輸入が4割減った状況を踏まえると、楽観的すぎるかもしれません。また、在庫には『使える在庫』と『使えない在庫』があり、例えば特定のグレードのナフサが不足すると、代替品で間に合わせる必要がありますが、それには時間とコストがかかります。現場では『ギャップはありうる』との声が多く、政府の説明に納得していない事業者も少なくありません」

シンナー不足が塗装業や板金業に打撃

実際、シンナー不足は塗装業や板金業に深刻な打撃を与えており、完成間近で工事現場が止まるケースも出ている。ポテトチップスの袋が白黒になったり、パスタの「ゆで時間」表示が消えたりするなど、身近な商品への影響も広がっている。

松尾氏は「政府は後手に回らず、今から節約要請を始める時だ」と指摘する。ナフサ問題は、単なるエネルギー問題ではなく、国民生活や産業活動の根幹に関わる課題であり、政府にはより具体的で透明性の高い情報提供が求められている。

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