経済産業省は8日、生成AI(人工知能)の普及が大企業と中小企業の間で生産性格差を拡大させているとする報告書を公表した。同報告書は、大企業が生成AIを積極的に導入し業務効率化を進める一方、中小企業では導入が遅れ、競争力の低下が懸念されると指摘している。
生成AI導入の現状
報告書によると、従業員300人以上の大企業の約6割が生成AIを業務に活用しているのに対し、中小企業では2割未満にとどまっている。この差は、2024年以降さらに拡大する傾向にある。特に、製造業やサービス業での導入格差が顕著で、大企業はマーケティングや顧客対応に生成AIを活用しているが、中小企業は導入コストや人材不足が壁となっている。
生産性格差の実態
生成AI導入企業の生産性は、非導入企業に比べて平均15%向上しているとされる。しかし、この恩恵は主に大企業に集中しており、中小企業の生産性向上はわずか3%にとどまっている。この結果、両者の生産性格差は過去10年で最大の水準に達したという。
政府の対応策
経済産業省は、中小企業の生成AI導入を促進するため、補助金制度の拡充や専門家派遣事業の強化を検討している。また、AI導入の手順を示したガイドラインを作成し、中小企業の負担軽減を図る方針だ。
業界団体の反応
中小企業団体からは「支援策は歓迎するが、迅速な実施が求められる」との声が上がっている。一方、大企業側は「生成AIの活用は競争力維持に不可欠であり、今後も投資を続ける」としている。
報告書は、生成AIの普及が経済全体の生産性向上に寄与する一方で、企業規模による格差が拡大するリスクを警告。政府は早急な対策が必要と結論づけている。



